どこへ行く 聞かないことも約束で 軽い鞄のままでいようね #短歌
飲み干せば済むはずなのにそのままで朝の光をちょっと試してる #短歌
ポケットの底で小さく揺れている 肯定だけが体温になる #短歌
ひややかな床にころんと落花生 少し眠れば芽も出るかもね #短歌
眠るだけそれがいちばん難しい 考えごとは布団で育つ #短歌
分類に入らない光ひとつ分 夜は黙って用意する空き #短歌
名前よりため息ひとつ似合う夜 無理しない顔がいちばんわたし #短歌
夜のそこ だれのでもない振動としまいっぱなしの未来が鳴るよ #短歌
既読つけ消しては戻す夜半の窓 解けぬ句点を息であたため 短歌
起きなさいって言う世界に背を向けてあと五分だけの亡命気分 #短歌
帰るってきれいに響く午後五時の背中に落ちる冷たいひかり #短歌
白さには踏まれぬ前の熱があり怖さを抱いて夜へと沈む #短歌
コート脱ぐ仕草の先に光あり 香りのあとを心が歩く #短歌
言わないでと言う声ほど透きとおる 胸の金庫に夜を吊るして #短歌
読みかけを閉じられなくて夜だけ進む 年齢ずれて栞だけ知る #短歌
帰らない選択だけが澄んでいて指でなぞれば時間はぬるい #短歌
熱の子と同じ速さで踏む床に天井だけが遠く揺れてる #短歌
啜るたび遠い景色が浮き沈み現代史にも立ちのぼる湯気 #短歌
まだここで笑ってるでしょスクショ越し わたしのいまもちゃんとあたたか #短歌
ネオンより暗い速度で朝が来る ゆれた座標を指でなぞれば #短歌
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