人気など求めていないはずなのに順番だけが肩へ積もって #短歌
信号の赤が続いてやがて青 そのあいだだけ息整えて #短歌
逆効果だった証拠に机上には触れずに置いたメモが増えてく 短歌
ひそやかに移り変わってしまう色 あなたの前で別名を待つ #短歌
なにげなくかさねた間合いゆらぐ意図 食べながらでもいいんですけど #短歌
静けさに沈むまなざし拾い上げあなたがくれた小さな自治権 #短歌
もう二度と戻らぬための支度なら過去の書類も晴れ間に干そう #短歌
あいまいな後ろ姿をみていたよ 夜のバスではちがう地図描く #短歌
ふつうならしないはずだとつま先でそっと線路をまたいでみれば #短歌
にぎやかなはだしのあとがキッチンにしずくをあつめそしてむかえる #短歌
引き出しの奥でくすんだ糸をまた結びなおして役に立つだろうって #短歌
うつむいて靴を揃えるそのあいだ未来の癖をそっとたどれば #短歌
いまだけは余白ためてる台所 明日の澱は置き去りにして #短歌
要らんのに食べてまうのはくせみたい ほころぶ皿に寄りかかる夜 #短歌
玄関に置いたカップが冷たくて子の靴ひもをそっと結ぶよ #短歌
なんとなくあじがずれてくよるのまど とおいだれかをさそうみたいに #短歌
花になり冬にひとつは咲いていたい 冷たい風に触れられぬよう #短歌
区切られて急に静かになる時間 それでも今日を渡るしかない #短歌
なヘ間の底まるい世界がめぐる頃あなたとわたし同じ火を見る #短歌
たとえばの未来を並べ息を吸う 紙のうすさに寄り添うために #短歌
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