三年を言い訳みたいにだきしめて追いつくための靴をならした #短歌
アンダースロー球の潜ったその先に黙ったままの君の計算 #短歌
朝やける窓の余白にためいきがまだここにいてと影だけが言う #短歌
ドブの水飲むとか言って笑うけどそんなところで強さ測るな #短歌
付箋紙の端で止まった呼び名だけいまもあなたの声のたましい #短歌
功がでて窓際ノートに丸つける きょうの私をたまごの殻で #短歌
手の甲に触れた日ざしのぬくさだけベンチのすきま埋めて座った #短歌
カイジやんけと言って笑えば手が震えすべての選択まだ裏がある 短歌
液体のきみをすくえず掌を伏せてひび割れひとつ名だけ残る #短歌
鬼ハードモードに入るまえぶれの針のようなる息をそろえて 短歌
呼び戻す気配のような白い朝 生前のそれ今はもういい #短歌
渡されるぬくもりまでは揺らがずにひとつつぎへの白いひと皿 #短歌
褒めすぎたパーカーと返す夕まぐれ あいまいな線 指でこすって #短歌
髪を切る音だけ続く昼下がり整わぬままの心置いてく #短歌
漫画とかで見たやつだって言うたびに胸の奥から線が走って #短歌
いちどだけ燃えきる前の花を抱き指先だけが季節を拒む #短歌
肉冷やしつめたき皿におとす息 くるりと夜がまぶたを撫でる #短歌
サークルのゆがみ抱えたまま残るあの日の地面踏みしめている #短歌
たしかにねだれかの影がずれたまま交差点には名もなき歩幅 #短歌
点検の札がはためく朝の駅 なくなる前に君を呼び止める #短歌
★
ログインしてコメントを確認・投稿する