ほころびを場面になぞって思い出す噛みしめすぎた夜のレシピよ #短歌
手の内を見せずに笑う昼下がり だからテスラも買えるんですね #短歌
やわらかく照明揺れて髪ひとつ失くした分の名を呼びなおす #短歌
これが漫画だったら童貞と呼ばれても胸の赤さをだれにも見せない #短歌
半熟をまた選びたい気持ちごとこぼしてしまうあたたかい指 #短歌
なんでかな同じ事して冬の街 曲がりきれない角を抱えた #短歌
下に水着 着ていやがったその理由言わずに空を軽く蹴ってく #短歌
読まぬままひかる目印たどりつき花水木ではなくてもいい日 #短歌
遅刻してまた君の目をにごらせて歩幅あわせる風のつめたさ #短歌
ふわふわの名前を呼べば霜くだく きみの輪郭冬へほどける #短歌
調子乗りまた教えちゃう癖のまま きみのメモにもふくらむ余白 #短歌
あさのまどまだ濡れたまま置く歯ブラシ わたしの声をひと雫だけ #短歌
どこでいまほんとに話してるんですか 奇特のひかり 胸をすこし刺す #短歌
もう少し曇ってくれてよかったの標本みたいに忘れらんない #短歌
精神論かと言いながら歩き出す靴の重さを今日も言い訳 #短歌
雪明り 胸のざわめきだきしめて白だと思ういまのきみごと #短歌
設定をつくれと君が言ったので線香花火の最後を伸ばす #短歌
知ってるラジオ体操ちゃう この跳ねは朝の不安を追い払うため #短歌
こじ開けた記憶の奥に触れぬままそれでもまだね名を呼びたがる #短歌
どの項目聞きたいのって言われても曖昧だけで撫でている午後 #短歌
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