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2025年11月20日20:34

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トルストイもいいけれど…

 11月20日木曜日、快晴。久しぶりに布団を干せた!
 2拠点生活はひ弱な人間にとって、思いの外体力と精神力を使う。山中湖でも自宅と同じことをやっているわけだが、例えばマンションを引き払う際はざっと掃除をし、戸締まりを2度3度と注意深く点検し、電気ブレーカーを落とすようにしている。なので、冷蔵庫を空っぽにしたり、予備に買っておいたレトルト食品やカップ麺は賞味期限を見ながら自宅へ持ち帰るべきものをクルマに積む。次に訪ねるの早くても来年3月末なので、帝国ホテル製のレトルトスープとかクノールカップスープ、スーパーで安売りされてたレトルトカレーだけをそのままに、駄菓子とか甘栗などは持ち帰ることに。こういう諸注意は、普段ぼんやりと生きている身ゆえ、結構疲れるようだ。ということで、昨日から今日にかけて、ぴったり8時間眠れた。朝起きたら、当たり前のことながら自宅のベッドで、安心した。浪人時代、成り行きでひとり暮らしの女性宅に泊まったことがあって、朝目覚めたとき、自分がどこにいるのか一瞬わからなくて焦ったことがあった。セックスを伴っていない一夜ゆえ、不確かさ全開なんだろう。
 昨夜、毎日のように読んでいるブログ主の日記をまとめ読みした。なかのお一人がトルストイの中編を挙げておられ、死に瀕した官吏の心情を文学に高めた作品だと紹介していた。なんとなくいまの自分に合っているテーマではないか、などと思ったので、借りるかどうかは別にして、午後から図書館に行ってみた。
 光文社の古典新訳文庫で出ている。借りるか、それとも買うか?
 文庫を確保した上で、雑誌閲覧室にて出たばっかりの「本の雑誌」を読み始める。特集は「オモロイ純文運動」で、自分にとってなかなかに興味深いテーマだ。そもそも純文学とエンタメの境界などなく、純文学は人間の生を作家が売れる売れないという目的なしに哲学的で文学的に重々しく描くというイメージだが、じゃあ大衆小説は売れ線狙いで話の面白さとか新しさとかで読者を惹き付ける作品というだけではない。往々にして純文学作家というのはエンタメ作家より上位にある不遜な存在ではあるけれど、当然のことながら底の浅い作家、頭の悪い作家、文章力の劣る作家もいるわけで、読者側がフォローしてやらないと生きていけない連中が半分いる(笑)。
 特集のオモロイ純文で、ダメ人間小説を推している書評家がいた。
 トルストイより、戌井昭人の『壺の中にはなにもない』だな。主人公は究極の人間のクズで、勤労意欲がゼロで恋愛経験なしで、著しく社会性に欠けた青年らしい。私はそんな人生を歩んで来なかったけど、それはあくまでラッキーな偶然が重なり続けただけであって、この主人公と大差ないような気がする。
 結局、トルストイはブックオフで見つけることとし、戌井のハードカバーを借りて帰った、何がしあわせかと言って、自分に似た人間が主人公のエンタメ小説を読むことほど面白いことはない。映画も然りだ。
 失敗続きならそれもまた良しだし、ダメ人間が成功に至ると「ブラボー!」という気持ちになれる。
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