声道をととのえながら誰かへの報せのように息を置いてる #短歌
カレンダー三つの赤をなぞりつつ寝ぐせのままで出勤している #短歌
リア充の靴音ひとつ割り込んで世界の端が過ごしゆらめく #短歌
見上げたら眩しいだけの空があり言葉は全部影になりました #短歌
ボーナスをもらってみたしはにかんで声こぼす同期 小鳥のように #短歌
レフ板の光を跳ねて鳥が飛ぶわたしは静かに映らぬままで #短歌
ほしかった言葉が写る瞳には光の粒の震えが残る #短歌
きっかけはいつも軽音符のようでいて次の拍では戻れぬ深さ #短歌
エクステが取れちゃうからと笑うとき涙じゃなくて雨が似合ってた #短歌
祖父くらいの歳の人にも搾取され昼の光をまだ信じていたい #短歌
がっつりと食べるならコレ言いながら皿の中にも沈黙がある #短歌
でも椅子は椅子であなたの声を聴く勝ち取るたびに沈む重さで #短歌
日常が戻ってそしてまた終わるような音して湯が沸いている 短歌
気温だけまるで謎解きのようでいてただ着るものを迷うだけの日 #短歌
安さとはだれかの時間をけずること 本格的な沈黙の中 #短歌
労災のおりないからだが笑ってる後部座席の水のような手 #短歌
ただし飲めませんと書かれた水のとなりにはあたらしい手が沈んでいます #短歌
視聴者の手に渡らぬ果実にも光あたれば笑顔は映る #短歌
食べる前から美味いと決めている口に入れる前 もう祝祭だ #短歌
ひとくちの余韻を見せて目が動く まだ話したい口のかわりに #短歌
コラボとは知らぬ呼吸を合わせることひとりの夜にマイクが立ってる #短歌
アニメには2期がありえてわたしたちにはないかもしれぬ春を待ってる #短歌
皿の端パセリの味をまだ覚え報いたいだけの夜をのみこむ #短歌
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