公園のブランコきしむ音のなか正しく遊ぶことを思えり #短歌
愛されたことも数字にならぬままレシートだけが財布に残る #短歌
映画館字幕の下に隠れたる大事なところ見えぬまま笑う #短歌
つぶれたと思った場所にまたひとつ同じ明かりのコンビニが立つ #短歌
カップ麺選ぶ速さが増していく貧乏だけが知ってる知恵で #短歌
駅前に立ち止まる人立ち去る人 今日もだれかのが声をあげてる #短歌
畳下の隙間をのぞく子供には御札ひとつの影が見えたり #短歌
イヤホンの片方だけを耳にしてMY BEST MD バスに揺られる #短歌
決められぬことが生きるに似ていると思いながらにスーパーを出る #短歌
友だちの好きと言ったを真似しつつ絶対一番ではないと思う #短歌
人生をまとめるならばこのくらい 塩の加減を覚えたことだ #短歌
知っているサビだけ皆で乗り出して夜が少しも減らないように #短歌
多摩川にシートを敷いて座るとき あかねの空を我が国と思う #短歌
アイス溶けはじまる前から揉めている今日の天気を責め合うように #短歌
座禅してる時に叩かれる棒は、没になった卒塔婆じゃね?
言いかけてやめた言葉を思い出す線香花火が落ちるその前 #短歌
遅刻して走る背中の白い尾が風とまざって朝をひらくよ #短歌
鈍器にもなる写真機を肩に提げ覗いた街はざわめく新宿 #短歌
月あおぐ指さす未来遠くまで不思議の青は誰にも属さず #短歌
触れもせず置かれたままのその重み 花の形をまだ知らぬまま #短歌
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