目が合ってわたしの中に鳥が立つ 前世でたしか恋人だった #短歌
さわるにはおまえはやわらかすぎだからスプーンの影に謝った午後 #短歌
もういいやそう思ったときだった 宝石をくちにいれてみせたの #短歌
ポケットにまだ入れたままの同意をうっかり返す風の中です #短歌
鍋底の風景を知る人が好き 今日はあなたにはお焦げを多目に #短歌
わたしなしでうつる家族の青い枠 ふと浮かび上がる日曜の夜 #短歌
明かりさえない部屋に置いた手紙には呼吸をうつすように書いてた #短歌
忘れたと嘘をつくたび咲いている夏の終わりのようなやさしさ #短歌
きなこと黒蜜の境界に指を入れ信玄餅のルールを知らず #短歌
手をつないだこともいつしか薄れてて今は風だけふれてくる午後 #短歌
晴れの日に上手く笑える子がいてきみのとなりでうまく黙った #短歌
ベランダに干されたシャツのとなりには街をみている昔のわたし #短歌
ひらいたらまぶしかった均一本 きみといた日にしおりが残る #短歌
ふたりして黙る午後には音もなく 言えなかったね だけが残って #短歌
つながっていると思えるだけでいい 町の片隅ラジオが灯る #短歌
モーニングにしては熱量ありすぎて行先表示がたびたび変わる #短歌
イヤホンをしてただ歩く きみにだけ聴こえる声が街にひらくよ #短歌
ふれてから遠くなるひとり 風だけがあなたの名まえ知っていた午後 #短歌
何度でも再生できるあのCM 声の主とはもう会えなくても #短歌
大福をふたつ食べた日ひとこともあなたの話しなかったくせに #短歌
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