ひだまりはつかまえるものではなくてわたしの中で飼われてる犬 #短歌
きみの言葉で作られたソーダ水 炭酸の泡だけ本音に、近い #短歌
未来語に「恋人」という単語なく われわれはただ並べて埋まる #短歌
あたしたちどこまで来たか不明です「周辺です」とだけ呼ばれてる #短歌
薬莢に入っていたのは解答欄 埋められぬまま乾く真実 #短歌
前向きにされる装置のような顔 量産されてゆく昼の廊下に #短歌
「未処理」とはこの体内にある時限 恨みの針がまだ溶けぬまま #短歌
霧はまだ個体になれず森の中 忘れたままで私も湿る #短歌
調整中という名の風に撫でられてたぶんいまなら誰のことでも #短歌
砂城の使用期限に気づいてる だから「好き」など添えないままで #短歌
なめきった飴と光と名づけた子 母という語は宇宙の外へ #短歌
だいすきの条件ついに割られても植木鉢だけが音を出してる #短歌
未来とは皮膚のひとつの折り目らしく触れたあなたにだけある余白 #短歌
甘夏に施された過保護処理 食べずに済ませる感情もある #短歌
自己主張としての無糖に薄くヒビ 優しさ由来の加糖は例外
ニトリ製包丁の軽さを確かめて 刺し違えない日々だけがある #短歌
時を打つ係をやめた装置から夜という名のわたしが洩れる #短歌
くびれとは持たない部分のことであり きみには直線の不在がある #短歌
たとえばの話としてなら言えるのに言わなかったね 記憶の形 #短歌
遠回りしてまで選ぶ道がある 咲いたばかりの花を確かめ #短歌
見上げればうつる世界に名はなくてビニール傘に雨だけが降る #短歌
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