飲みかけのペットボトルにも朝が来て今日を作ろうとしているひかり #短歌
校章のほつれに触れて立ち尽くす そんな光が駅にはあった #短歌
手入れされないこともまた美しく 風にそよいで伸びる雑草 短歌
読まれない手紙のように置かれてる あたしがひとつ 喫茶店の席 #短歌
昨日まで君だったのかもわからない ひとひらの風 蜘蛛の巣ゆれる#短歌
放課後のざわめきのなか膝を抱く 誰にも似ない椅子のすわりかた #短歌
だれにもなにも伝わらなくてそれでも深夜の雨にうなずいている #短歌
弟に怒鳴った日々のまぼろしが湯気立つ茶碗に影をおとせり #短歌
君の手に持ち込まれたる光源はたぶん昨日の森の断片 #短歌
「業務連絡でした」から再生される誰でもない音楽の正しい側面 #短歌
厳寒に脱いだままある雨の群れ 誰かの悲報がまだ乾かない #短歌
差し込んだ光の中に誰かいた 思い出だけが声を持ってる #短歌
干されたまま夏を見ているTシャツが一軍だった頃を返してこない #短歌
こってりは重いと入力した夜にあっさり系とんこつが許されている #短歌
旅という機能を終了しました 通知音だけが満たされる部屋 #短歌
出発を命じられても知らぬまま 朝の制度に立ってる子供 #短歌
記憶とは言えない画面に残ってる ホースの緑だけが正解だった #短歌
直線で立ってるものに巻きついてバランスの授業は終わらない#短歌
取ったばかりの番号札が呼ばれて まだ誰にもなっていないまま #短歌
カーテンの揺れと混ざっていた画面 不幸のあとに入るCM #短歌
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