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2024年07月27日21:04

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先週に引き続いて上京

 7月27日土曜日。
 先週に引き続いて上京。
 一緒に今週見舞いに行く予定だった出版社の元社長を訪ねるべく、神保町へ。彼は代表を自ら降りたあとも毎日出社し、編集作業を続けている。
 10分くらい喋り続けた。面会した際、土倉さんがどういう状態だったか。
 さらに、昨日の夕方に奥様から電話をいただいて、その口ぶりが存外湿っぽくなかったことを淡々と報告した。混じりけなしの哀しみは、初七日で第1弾が訪れ、四十九日で更なる大きな第2弾の波に見舞われる、というのが個人的所見である。
 お昼時に訪ねたことと、事前に「ランチを御馳走してくだせえ!」と伝えていたので、午後1時、近くにあるそこそこ高級な中華レストランへ。土倉さんは元社長を訪ねる時間を午後5時頃にセッティングし「では時間も時間なので、呑みに行きましょう!」という展開に持ち込むただ酒作戦が得意技だったので、それを真似たのだった。
 美味しい中華に舌鼓を打ちながら、「亡くなる一週間前、土倉さんから原稿用紙換算1千枚の大長編小説が送られて来た」、と打ち明け、「しかし、この遺稿を単行本に落とし込むと四六判で2段組600ページになるから難しいな」などと続けた。
 難しいけど、もしなんかぼくが力になれることがあるなら、本の1冊くらい出してあげるよ、と社長は答えた。
 えっ、ホントかよ?
 その時点で、私は企画を練る編集者になった。
 まずは土倉さんの交友関係を洗い出すことだ。そして、奥様に直接会って、どんなことでもいいから土倉さんにまつわるエピソードを30、40と引き出すことだ。どんな画家や音楽家や作家が好きだったのか、食べものの趣味は? お酒は何を好んだ? 
 卒論を書くのと同じだ。カードに一つひとつの”事実”を書き、そのカードが100枚になったら、それを章立てするようにブロック化し、俯瞰しておおまかな構想を考えて行く……。
 中華料理店を出て、編集部に戻った。
 試しに、デスクにあるNTT電話で、土倉さんと私が共に知っている書籍の装幀家に電話をしてみた。彼女とこうして話すのは20年ぶりだった。
 はっきりとした手がかりは得られなかったが、もし出版出来るのであれば彼女にデザインを頼むのがいいのかな。
 電話を切って元社長を見ると、自身の椅子の上で眠っていた。78歳とご高齢で、暑さ負けをしていると言っていたのは本当だった。
 私も夏バテ気味で、気力だけでなんとか保っている状態。
 
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