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2024年03月11日20:11

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喋る体重計

 3月11日月曜日、快晴。
 入稿したのでお気楽モード。
 朝からのんびり女流作家のエッセイ集と、(自分には珍しく)ファンタジー系でデビューした作家の伝奇小説を交互に読んでいた。
 そんなところに一通のメールが届いた。これがまた返信に気力を要する内容で、伊藤野枝の生涯を描いた村山由佳の『風よあらしよ』をNHKがドラマ化した作品を某映画館で観て感動した、という。ご丁寧にもそのパンフレットが添付されていた。主演・吉高由里子のインタビューはもとより、伊藤野枝の「無政府の真実」、監督やブレイディみかこの寄稿まで掲載していて総ページ64という、映画のパンフというよりブックレットだった。
 全部に目を通して返事を書く。面倒臭いメール、出すのをやめてくんない(笑)。
 ペペロンチーノの昼食後、逗子へ。
 先週のあたま、某フリマアプリで体重計を買ってしまった。家に体重計はあるのだが、20年以上使っていて、だんだんとボロになっている。体重と体脂肪率を計測できるのだが、いまの体重計はBMI、筋肉量、推定骨量、内臓脂肪レベルなど、いろんな数値を知ることができる。
 出品者に正常な動作確認をした上で購入のオファーをした。タニタの現行品で、音声でデータをアナウンスしてくれるスグレモノ。
https://www.tanita.co.jp/product/bodycompositionmonitor/1879/
 先方から受渡日を今日に指定され、了解することにしたのだが、ちょっと心にわだかまりがあった。
「鎮魂の日ですが、いいでしょうか?」と、一応は返信した。
 今日みたいな日は、静かな生活をするのがいいのではないか?
 約束の時間は午後1時半なので、午後2時46分には確実に帰宅できる。
 せめて地震発生の時間はNHKの特別番組を流しつつ、正座をして黙禱しよう。
 午後1時30分に体重計を受け取り、スーパーの駐車場にクルマを置いているのでさっさと3千円ちょっとの買い物をして帰宅。午後2時半前に戻ることができた。
 フクイチの事故によっていまだに3万人余りの避難者がいる。
 町は徐々に整備され、帰還希望者も少しずつ戻って来たらしいが、かつて1万人の町に数百人が暮らし始めても、スーパーはない、花屋も学校も銀行もファストフード店もコンビニもスナックもないないところに住めるひとは希望がなくても生きられる老人くらいなものだ。これが復興と言える?
 私は冷たい性格なので、震災で亡くなられたかたに対しては月並みな哀悼程度の気持ちしかない。が、20歳代から50歳代までの壮健な年代層で運良く生き延びることができたかたたちに対し、同情以上の感情が湧いてしまう。ちゃんときょうまで生きていらっしゃるだけで偉いよ、と思う。
 今日、畏友から月1のはがきが届いた。彼は敬虔な仏教徒である。
 冒頭m仏法は求めれば求めるほど遠くなる、と書かれていた。
 そして仏法の教えを次々と要約されていた。
 仏法は明るい心になろうと説いている。
 仏法は清浄なる心でいようと説いている。
 仏法は寂静な生活を説いている。
 仏法は自我ではなく無我を説いている。
 仏教は微妙甚深の法であろう。
 彼の要約はすべて正しい。
 あまりにそこへ近づきすぎると死んじゃうので、そこそこに会得できればと思う。
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