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2024年02月10日20:01

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映画「ヘカテ」

 2月9日金曜日。
 夜も更けた午後11時前からAmazonのプライムビデオで映画「ヘカテ」を観た。
 1983年の製作。劇場公開でこの映画を観た際は20歳代で、最初から最後まで通底している頽廃的で通俗的でアンモラルで狂信的で耽美的なアトモスフィアにひどく心を持っていかれた。しかし、この映画をのめり込むように観た、というプラスの感情を他人に言うことは憚られた。主人公の若き外交官も、彼を虜にした人妻という立場の得体の知れないヒロインも、ともにただの色情魔で、ストーリーも堕落ぶりも目を背けたくなるような代物だったから。しかしながら、生涯で「ファムファタール」との出会いを経験することはあり得るし、のちに作家の森瑤子や山崎洋子が絶賛したり、映像美を深掘りして称賛する映画評が続出したりで、駄作と吐き捨てるような映画でもなかった(らしい)。
 私は頽廃的な文化が好きだ。アナキズムに通ずる反社会的な生き方にも、道徳という道徳すべてをまず否定することから始める発想にも惹かれる。
 40年ぶりに観た感想は……、自分もその頃は若かった、というだけで、それ以上でも以下でもない。なんとも評することなどできないし、好きか嫌いかと自問しても答えはない。
 フランス映画である。会話が秀逸で、交わされる台詞が詩になっている。日本語ではあり得ない。映像の大半は北アフリカ(たぶんモロッコではないか)で、画面の奥から物悲しいコーランが流れ出し、夜の陰影が登場人物のみならず視聴している者をも包みこんで、満月の光で狂う人間のような危うさが最初から最後まで貫いていて、青少年はポルノ以上に「ヘカテ」を観てはいけないのだ。
 映画を見終わってのち、クスリを一粒服んだ。が、頭の底に何度も出て来るテーマ曲が延々と流れて、困った。それでも20分後には寝ていたが。
 
 2月10日。
 いいお天気になった。布団を干す。
 干したまま、隣町のスーパーへ。買い出しであるけれど、ドライブと散歩が目的みたいなものだ。
 あとは3時間くらい校正をし、展覧会のパンフレット用に依頼していた原稿が届いたのでリライトをし、午後3時に30分くらい散歩をした。これで本日の歩数は8千歩、目標を達成。
 さっきAmazonからオススメの映画案内メールが届いた。
「Dr.コトー診療所」、ヘカテとは全然おもむきが違うと思うんだけど、どういうつながり? こういう平穏そうな映画を観るのが今の私には適切なのかな。
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