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2023年06月28日17:56

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天皇のインドネシア訪問

 もはや旧聞に属する話になってしまったが、先週天皇皇后がインドネシアを訪問し、滞在中の様子が連日テレビのニュース番組で報じられていた。
 手許に『アジアの教科書に書かれた日本の戦争』という本がある。時々思いだしたようにこの本に収められたアジア各国の教科書を読み返す。先週もインドネシアの中学生用歴史教科書をいい機会だと思って読んでみた。
<当初(註 1942年)、日本軍の到来はインドネシア民族に歓迎された>
<日本がきた目的はインドネシア民族を西洋の植民地支配から解放することである>
<その実態はどうであったか。独立を与えるどころかインドネシア民族を圧迫し搾取し、オランダの植民地支配を超える強制栽培と強制労働を強いた>
<天然資源を独り占めにし、民衆はロームシャ(強制労働)となり、農業の収獲の80パーセントを引き渡すように強制され、いたるところで飢餓と栄養失調になった>
<ジャワ島各地から集められた数千の人々は森林で働かされ、ロームシャは労働中に少しでも不注意だと平手でたたかれ、銃で殴られ、鞭で打たれて足蹴にされた>
<与えられる食糧は米ではなくタピオカの粉の粥で、それも一日一回だった。結果、、何千ものロームシャは二度と故郷に戻ることができなかった。彼らは森林で世を去ったのだ>
 という記述がA5判で20数ページも続いていた。
 ネトウヨ、というかほとんどの日本人は、アジア各国の教科書など知りもしないし、歴史を直視することはない。
 韓国、中国だけが「反日教育」をしているわけではない。インドネシアもマレーシアもブルネイもミャンマーもラオスもフィリピンも、中学高校の歴史教科書には我が国の欺瞞と残酷きわまる統治行為をこれでもかというくらい説明されている。
 学生時代、韓国の歴史教科書は一部が翻訳されていた。集会や講演などで在日韓国人学生と会う機会もあったものだから、日本人学生としてのマナーだろうと思って読んでいた。が、その頃には「文部省」による教科書検定が度を超えて介入し、日本の戦争責任に於ける残虐行為はほとんど消えていた。
 試しに今、「渋谷のスクランブル交差点前で100人に聞きました。日本が侵略した国はどこですか? 知っているだけ答えてください」とでも質問してみるがいい。完全正答率は数パーセントにも満たないのではないか。インドネシアを挙げる18歳がいる、とは到底思えない。
 それにしてもだ、インドネシアの中学生用教科書には20数ページの「悪行」が載っていて、我が国の教科書にはインドネシアの「イ」の字もない、というのは、狂気じみた「自尊史観」ではないだろうか? 足して2で割るとちょうどいい、みたいな考えを取るなら、せめて侵略した国について最低でも1ページで理想は10ページくらい、各国での侵略史を教えるのが正しい。
 インドネシアに滞在中の天皇を見ていて、この夫妻に罪はないものの、素直な気持ちになれなくて、日本という国の文化的精神的未成熟さと傲慢さに嫌気が差した。
 今日は午後7時からzoom講演を拝聴することになっている。
 テーマは「731部隊の証言者に話を聞く」。
 証言者は92歳の元731部隊所属少年兵。あと数年も経てば、すべての元日本兵はこの世からいなくなる。そうなると、文科省も政治家も捏造につぐ捏造で歴史を綺麗さっぱり書き替えて、戦前回帰の道筋をならしていくことだろう。
 ああ、おぞましい。
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