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2022年12月19日20:43

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日記をサボり始めたら、あっと言う間に一週間

 詩人全集の最終構成と目次立てに専念するべく日記書きからしばし離れていた。mixi日記とは別に、大学ノートに「食事日記」を書いている。食べた物すべてをボールペンで記入しているのだが、ノートに字を丁寧に書いてちょっと美的なノート作りをするという行為が楽しい。両親が相次いで亡くなったあと遺品整理にとどまらず実家にある一切合財の物を処分した時、一冊だけ高校時代の数学ノートを持ち帰った。書いている当時は自分のノートを客観的に見ることなどなかったが、卒業して25年後、あらためて見てみると、俺って結構真面目な学習態度だったということと、その頃から強い美学意識が在ったことがわかって、安心した。60歳を超えた頃から、自信を失うとたまにその一冊のノートを手にとることがある。ナルシズムのなせる業か。
 この静的な一週間にあってもいろいろなことがあった。先週金曜日は「九条の会」の月例ミーティングがあって、私が書いた新成人へのメッセージが異論なく承認され、来月の成人の日、会場前で配られることとなった。メッセージにジョン・レノンの「imagine」の一部を載せたのだが、そこにネットで見つけたレノンのイラストを添えた。会議が終わって帰宅直後、流用させてもたったイラストレーターに転載許諾メールを書き送ったのだが、返信は土曜日曜と過ぎてもない。日曜にもう一度メールを出したのだが、本日になってもメールは返ってこない。「ポパイ」の表紙なども描いている男なのだが、その雑誌の版元に長らく勤めた元社員編集者としてはとても残念である。ひょっとしたら「憲法九条の会」というのは太平洋戦争中の共産党的な忌避感でもあるのだろうか? 個人的な見方だが、自分から見ると穏健的でかつ保守的な市民運動体だと思う。日本国憲法があるおかげで私たちは基本的人権と平和がまあまあ保たれてきたのだ。有形無形で人殺しをしてはならぬ、という基本原則を(ちょっと下手クソな文章ではあるけれど)細々と書き綴った憲法を否定してしまうと、日本の長所は半減してしまう。
 
 明日が朝日新聞の古紙回収日なので、さっきまとめる前に気になっていた記事を何点かスクラップした。たとえば12月17日の夕刊に寄稿した藤田直哉のコラム。ネット世論に見る「からかい」についての分析だ。今日もテレビニュースで池袋暴走事故で妻子を失った被害者を揶揄した罪で起訴された男の裁判が挙げられていたが、ネットには藤田が言うところの「遊び」感覚で個人を誹謗中傷する発言が溢れている。気の利いたからかいはネット上で増幅を繰り返して、人権を損ねるヘイトクライムになったり、その対象となった人の心をズタズタに切り裂く事態になっていく。
 思ったこと感じたことを反射神経的に口に出す、という文化は、ネットに限らず、テレビのバラエティー番組でも主流となってしまった。この40年、じわりじわりとこの傾向がもてはやされ、ほとんどの日本人はそれに気づかないままに「幼児化」している。私はテレビを見ない人間であるけど、たまにテレビをつけて10分くらい冷めた目で観察することがある。MCとされる人がゲストの(なんだか面白そうな)話を途中で遮って自分の土俵に引きつけてさらに面白いエピソードを話し出し、それを会場の雛壇芸人(?)が大袈裟に手を叩いて笑いこける。小中学生グループの内輪受けみたいなもので、「ひとの話は一応最後まで聞いてあげよう」と思ってる私は不快感を覚える。必ずと言っていいほどトークしているゲストを茶化すからでもある。
 間寛平さんのインタビュー記事もスクラップした。寛平さんは優しいひとであるが、奥さんはさらに優しい人柄だそうだ。出待ちのファンに対して素通りなどしてはいけない、こちらから声を掛けてあげるくらいじゃないと、という性格らしい。
 寛平さんは奥さんの影響を受け、いつしか怒りの感情の湧かない人間になっていた。
 私が知っている寛平さんは結婚前であったけど、当時から彼は優しいひとだった。まだ大して売れてもいないのに、吉本新喜劇の後輩たちの面倒見がよく、慕われていた。目がちっちゃくて、30そこそこなのに目尻に烏の足跡があった。で、1分に1回くらいの割で顔をくしゃっと潰すように笑い、自分より6つも年下の若造に対してでも基本、敬語を使っていた。吉本の楽屋に1年通い続けていたので、寛平さんの素顔はある程度つかめていると思うんだけど、彼のような愛くるしいひとを見てるとこっちまで優しい性格になれるのだった。それは後年、関根勤さんにも同根を見ることになる。
 権力をからかうのはいいし、自分より強い者を批判するのもいい。が、傷ついた人間をからかってはいけない。当たり前のことじゃないか。そもそもからかう側の人間って九分九厘偉そうな口ぶりで、そんだけ自分が偉いんやったらネットなんかせんと麻生太郎みたいに毎晩、高価な一流どころでメシでも食って、銀座で軽く一杯1万円のカクテルでもひっかけ、週末は別荘か高級ゴルフ場にでも行けばいいじゃないか。ネットとかテレビってビンボー臭いぞ。

 昨夜、大失敗をした。午前零時からワールドカップの決勝が放映される。
 午後11時過ぎ、その日図書館から借りてきた椎名誠の『ぼくがいま、死について思うこと』を読み始めた。当時、著者69歳の死生観。一昨日の読書欄に椎名誠の最新刊が載っていて、久しぶりに椎名誠の本を読みたいと思ったのだった。が、当然のことながら椎名の最新刊など貸し出し中だ。で、この本を借りたのだが、これが時間を忘れさせるほどに”面白く"、気がついたら午前1時ちょうどだった。もうワールドカップを見る気力などなく、半分眠りかけの状態に追い撃ちかけるようにクスリ一粒を服用。10分後に寝てしまったのだった。毎日のように、こういうつまらないミスをしている。
 
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