11日金曜日、黄金トウガラシを収獲する。今年3回目。まだ青いトウガラシが50本ほど残っているので、年末ぎりぎりまで黄金色になるのを待って、摘みたい。物を作る、育てるというのが好きな性分だと思う。人間、何かを生み出してなんぼだという古い考えが心の根底にある。
午後3時を過ぎて、クルマでホームセンターへ。半分はドライブ気分、半分はラズリが好むササミジャーキーとかクルマ磨きのワックス&コンパウンドを買い求める目的。
小さいクルマなので運転しやすい。車幅感覚やクルマの癖ももうつかめた。新潟からの帰りや名義変更のための陸運局行きは、安全第一というか安全運転以外に意識が回らなかったので、クルマの特性なんて二の次だった。
12日土曜日、半年ぶりで山中湖の友人から電話をもらう。つもる話があったし、感心する発言もあった。彼は超おバカなのだけれど、その分、人間の情があって、それもかなりピントがずれているため、心がほのぼのとする。
夜、眠る前、珍しくネットもYouTube動画も見なくて、過日買った『サンショウウオの明るい禅』を読んだ。玄侑宗久さんの博識ぶりに舌を巻く。久々に二読したくなる東洋哲学系の良書だった。
13日日曜日。テレビの天気予報では、今週から本格的な寒波が到来すると繰り返している。朝、普段通り、翻刻をして、約1時間半。
頭の働きが鈍くなってきたところで、隣町の大型スーパーへ原付で行った。真冬用のジャケットを羽織って運転したら、ぎりぎり寒くはなかった。
店内はあまり混んでいなかった。胚芽米、オリーブオイル、チーズといった食の土台になるような物が中心。肉の売り場近くで、ご近所さんと遭遇、私から声を掛けた。こういう時には知らぬふりをしたらいいのか、とは思うのだけど、つい条件反射的に反応してしまう。長所と言えるが、21世紀になってからは短所だ。新型コロナ以前から人間の関係性やルールは変わった。自分的には、たとえばメールやLINEで仕事を依頼するといったまるで二進法みたいなやり方は、退化だと思う。横着だと思う。
いつの頃からか、メールの返信は件名など無視して「R」「R」「R」が並ぶようになった。「校正が終わりました(風)」とメール添付で送ると、以降数回やり取りを交わすと、ずっと私の名が入った件名となる。内容が校正と全く関係なくても、「校正が終わりました(風)」である。当初は不快に思っていたのだが、2010年頃から私もどうでもよくなってきた。悪貨が良貨を駆逐するの典型だろう。
昼から夜まで、ラズリの散歩30分を除いて、ずっと詩人の遺稿に向かっていた。
分厚いノートに記された2本の童話とは言えない童話。宮沢賢治の作品に似ているが、詩人の草稿は武骨で、直截的で、修飾に難がある。にもかかわらず、読んでいて、彼の生一本なアニミズム信仰を好ましく感じ、感動していた。
毎日、3時間4時間と翻刻をやっていまだ飽きないのは、一人の人間の心の懊悩を極限まで掴む面白さがあるからであろう。メモや日記の中に、(書いた本人にとって)時には他人に読んで欲しくない記述もある。しかし、幸か不幸か、それをすべて私が写真に収め、一字一句漏らさずに読んでいる。
現時点で、6割を超えた。5カ月で6割ということは8カ月ちょいで読み終わる、という計算になる。
話は朝イチに読んだ朝刊(朝日)になるが、コロナ禍にあってドイツとイタリアでの過酷な工場労働者の記事が一面二面に載っていて、心が苦しくなった。
ドイツでは安売りスーパーで骨付き豚肉が1キロ760円で買える。製造コストを抑えるのは低賃金で長時間労働の移民労働者があってのこと。彼らはルーマニア、ブルガリア、ポーランドなどの中東ヨーロッパ出身者たちで、最低賃金以下の労働条件で働く。イタリアでもコロナ禍の下、最低賃金9ユーロの半額で働かせられる移民労働者が数多くいて、「トマト缶が1つ1ユーロ以下で買えるのはなぜか。現代の移民労働者がいるからだ」と社会学者は警鐘を鳴らす。
先進国はどこも同じだな。日本でも野菜や漁業を支えているのは移民労働者だ。
現代人は6千人の奴隷を持って暮らしている、とされている。
普段から98円の安売りトマト缶を買っているのは私だ。朝からこういう記事を読むと、生きていてすみません、という自己否定が生じる。それでユニセフや国境なき医師団からDMをもらうと、そのたびに少額の寄付をするのだが、基本的人権を踏みにじった上に自分がある、という認識は寄付くらいじゃ収まらない。
夜も少し翻刻にいそしむ。
12月14日月曜日。
午前中、ガソリンスタンドへ行き、タイヤ4本交換。
作業をずっと見ていた。職人技の手際と丁寧さを目にすると、申し訳ない気持ちと感謝の気持ちが交互に生じる。タイヤはMADE IN JAPANでブリジストンのサブブランドなので、これは「現代の奴隷」とは言わないものの、実はガソリンスタンドの店員と懇意な上に12月は「タイヤ交換キャンペーン」で作業料ゼロ円。ゆえの申し訳なさだった。しかし、みんな苦労しているなぁ。
昼から2時間くらい翻刻後、ラズリと散歩。
寺の境内にはおそらく今季最後の銀杏が多数落ちていた。
以前、ご近所さんに銀杏を差し上げられたらえらく喜ばれたので、声を掛けてみたら「欲しい」とのこと。
なので、散歩後、拾って、またお届けした。
庭になっているレモン2個と、色鮮やかなマンリョウをいただく。
マンリョウを見ると、正月が近づいてきたという実感が湧く。
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