毎年、5月頃からNHKや朝日新聞などが満州事変から敗戦に至るまでの太平洋戦争に触れ、8月15日前後になると忌まわしい戦前の歴史報道は消え、また翌年の春になるとまるで「啓蟄」のごとく過去の歴史を振り返り出す。
今日の朝日一面で、どうやら「戦後75年」シリーズがスタートしたようで、沖縄戦の風化について語られていた。記事は社会面に続いていて、「沖縄の英語を話せる男性が日本兵に追い回されて首を切り落とされた」「年配の男性が逃げ惑う住民らに投降を呼びかけていたら日本兵に刺し殺された」というような具体例にも触れていた。
たまたま昨日、戦記モノ専門の光人社NF文庫『フィリピン敗走記』を読了したばかりだったので、コロナ騒動以降、ということは2020年で初めて、私たち日本人が過去、アジアで何をやってきたのか、という黒歴史を意図的に考える機会を持った。
朝9時、新聞にざっと目を通したのち、ペペロンチーノの朝食。そのあとメールとmixiをチェックし、本棚から『アジアの教科書に書かれた日本の戦争』(超田綾編著)2冊を取り出し、フィリピンの高校で使われている歴史教科書(日本に言及したところを抜粋したもの)を読む。あと、ベトナム、シンガポール、マレーシアも併せて読んでみた。ちなみにフィリピン篇ではタガログ語で書かれた高校用が9頁、英語で書かれた高校用は20頁というボリューム。日本の高校生が使う日本史の教科書でフィリピンに言及する箇所はせいぜい5行くらいだろうし、ベトナムやシンガポールに触れた説明なんてあってもたぶん1行くらいだろう。果たして今の30歳以下の若者で、戦前の日本が占拠したアジアとオセアニア地域を正確に指し示すことができるひとは100人で1人いるかいないか。これは若者が無教養主義であるからとは言い難く、すべて文科省と日本政府の思い上がった歴史認識に依るものである。
実は私もその一人だ。以前から繰り返し書いてきたのだが、マニラ島の北部から西海岸を旅したとき、ハンドレッドアイランドという景勝地にあるリゾートホテルに投宿したことがある。たぶん1985年の夏だ。
夜遅い時間、ロビーから見える暗い海を見たりしながら和んでいると、フロントの男から話し掛けられ、延々と会話をしてしまうということがあった。彼の祖父はこのホテルからほど近いところに住んでいて、日本軍兵士に殺された。さらに祖父の村か集落かは判然としないものの日本兵によって皆殺しされた、ということを彼は私に話したのだった。
自身の無知を知らされた。フィリンピンに於いてはレイテ島でアメリカ軍に大敗北を喫し、マニラ市内では対アメリカ軍と大規模な市街戦になった、という程度の知識しかなく、まさかマニラからこれほど離れた辺鄙な村に日本軍が侵攻していたとは想像さえしていなかったのだ。
彼は私とほぼ同じ世代の男で、フロントを任されるくらいだから学歴もあれば頭もいいのだろう。決して彼は私を攻撃する意図から日本軍の狂気を話し始めたわけではないだろうが、私は彼と話をしている間、妙に劣等感を覚えたのだった。
彼が話題に挙げたのは、日本とフィリピンの歴史的なことだけではなく、サンミュージック御一行がこのホテルに大勢で来て、とりわけモリタケンサクなる男は私がいま立っている位置から海に向かって拳銃を発射し、危ないから止めろと注意しても決して止めなかった、といった近年のエピソードなども私に話した。
このホテルで2連泊した。ドイツ人の男と小船を割り勘でチャーターし、ハンドレッドアイランドの一つの島に連れて行ってもらったら約束の時間になっても迎えに来てくれなかったとか、ホテルから2キロくらい離れた浜辺で野犬の群れに取り囲まれたりと、楽しい思い出満載のホテルであった(笑)。
その旅に持参した『地球の歩き方』はとっくに処分してしまったが、今になったら惜しいことをした。正確なホテル名を忘れてしまったから。
フィリピンにまた行きたいのだが、治安が悪いのと、拳銃を持った民間の警備員(?)が街のあちらこちらで所在なさげに立っているのがなあ……。しかし、こういう貧困も元はと言えば日本の占領が多少とも影響しているのだし、決定的に国家の貧困化を招いた長きにわたるマルコス政権を日本政府が支援したことも大きい。
夕方、ヤフーニュースに「グレタ・トゥーンベリさんに聞く パンデミック中どうしていた?」という記事が載っていた。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6363103
グレタさんを扱うヤフーニュースを見るたび、毎回呆れるのだが、どうしてアンチのコメントばかりなのだろう。
<もっと色々ときちんと勉強してから発言してもらいたい。単に活動家に利用されて捨てられるだけですよ。無知故の発言も多いので、今は学業に勤しむべきです。>
<彼女の両親は左翼活動家、さらにヨーロッパで有名な左翼活動家がグレタの側近にいてアドバイスし、彼女が所属する団体にはワンファウンデーションと言う団体からチャイナマネーが流れ込んでいる。
全てが怪しい彼女。
でも、マスコミは一切こんな内情は報じないよね。>
<まず学生としての本分を全うしてから、なんでも主張すればいい。
世の中の仕組みも大して分かっていない内から、やる事もやらずに訴えたって、子供のたわ言でしかない。
その人生経験の未熟さが、たわ言を大人たちに利用されても気がつかない。>
ヤフコメって、低脳どもの巣窟なのか?
上から100人ほどのコメントを読んでみたのだが、グレタさんに共感を寄せる人は一人もいなかった。というか、「環境問題に無知すぎる」という上から目線ばっかで、「そういうあんたは環境問題をどれほど真剣に考えてるんだ」と突っ込みたくなる輩ばっか。戦前のニッポン人の集まりとも言えよう。
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