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2020年03月17日21:52

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還暦過ぎて「自分探し」(笑)

 数日前から野鳥のさえずりが活発になってきた。裏山の木々からウグイスや名を知らぬ野鳥の鳴き声がかしましい。朝ごはんを食べたらだいたいは部屋の窓を開けて掃き掃除をするのだが、左手にちり取り、右手に草ぼうきを持って床を掃きながら、ゴミよりも鳥たちの話し声に心が行ってしまう。会話をするのは人間だけでない、ということがよくわかる。
 昨日も今日も午前中は、文学館所蔵の検索を使って、「詩人」が書き遺した詩や手紙や草稿の一覧表を一つひとつチェックし、閲覧すべき資料リスト作りをした。火事や戦禍によって失われたとは言え、結構な分量が遺っている。
 軽いランチを済ませたあと、原付バイクに乗った。交通量が比較的少ない裏道を選んで、制限速度内でのろのろと走る。信号待ちをしていると、足元の先にタンポポの黄色い花が咲いていたりして、春を感じる。
 家に閉じ籠もっていると、ついついテレビやネットでニュースを見てしまい、新型コロナウイルスの情報過多になる。ソローは「暮らしとは言えない暮らしはしたくない」という生活をし、孤独を好んだ。社会とのつながりをなるたけ小さくして、自分の内なる志向を活かした。私が好きな先達というのはソローに限らず似たような信条の人間が多くて、たとえばルソーなり、モンテニューなり、李白や杜甫なり、鴨長明なりで、拠るべきは己れという自立的精神の人たちだ、その一人が敬愛する「詩人」なのだが、自分と引き比べてみるにつけ、私はなんと自分というものがない人間なのだろう、と卑屈な気持に陥る。
 もっと自身の引き出しを開け閉めして、もしあるとするならばだが、自分だけの宝物を取り出して磨きたいと思い始めている。
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