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2018年08月01日20:19

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酷暑のみぎり

 のんびりと生きることにしたので、基本的に一日一イベントとしている。
 この1週間で言えば、友人の墓参りをした、恵比寿の東京都写真美術館で「世界報道写真展」を見た。砂町銀座の「上海肉まん」という店で中国人親子3人で作る肉まんを食べた、早期退職仲間3人でランチをしたといった、わざわざ書くまでもない地味な日常だ。
 今日は避暑と返本を兼ねて図書館に行った。5冊の本を返却し、2冊、本を借りた。驚くことに、7歳か8歳くらいの子どもたちがカウンターの内にいて、図書館員のおばさんの指示を仰ぎながら、本のバーコードを読み取ったり、図書館カードの受け渡しをしたり、本を渡し終えたあとに「ありがとうございました」と挨拶する。図書館業務を通して社会勉強をしているようだ。もし自分に孫がいたなら、これくらいの年齢か? あいにく私は生産性がないので子どもがいない。
 だんだんと図書館に行く回数が減っているが、高校・大学時代はほぼ毎日、図書館に行って勉強するか本を読んでいた。高校の図書館は蔦がからまっている古い瀟洒な建物で、落ち着けた。教科書に一部掲載されている古典を岩波の日本古文体系で読んでみたり、倫社の授業があった日はもう少し詳しく哲学者のことが知りたくて入門書を斜め読みしていた。教科書を読んでも授業を聞いてもイマイチよくわからないだな。出版社で働くようになっても悪所通いの習慣はそのままで、会社のすぐ近くに京橋図書館があり、少し足を伸ばせば日比谷図書館もあったので、足繁く通っていた。ホワイトボードの自分欄に「京橋図書館16時R(リターンの略)」などと書いておけば、電話も受けなくていいし、同僚や上司の顔を見なくても済む。図書館で調べものをしていることもあれば、図書館裏にある昭和の喫茶店でタバコを吸っていた。
 3年ほど前、鎌倉図書館がTwitterで「学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、図書館にいらっしゃい。マンガもライトノベルもあるよ。一日いても誰も何も言わないよ」(原文ママ)とつぶやいて反響を呼んだことがあったが、ゆるいだけが取り柄の図書館だ。予算不足で新刊書の揃えは悪いし、建物が老朽化していて冷房の効きが悪い。一時逃避するにはいい所、などと書いたら、村上春樹の『海辺のカフカ』に出てくる図書館みたいだ。
 朝のニュースで、シリアで拘束されて生死不明の安田純平さんが7月25日付けで助けを訴える動画が見つかった、というのがあった。殺されていないことに安堵するとともに、一刻も早く救出されることを願うばかりだ。
 iPhoneでヤフーニュースを見たら、このニュースは配信されていた。が、コメントが何千と寄せられていて、揶揄と中傷ばかりだ。とりあえず50コメほど順々に読んでいったのだが、早く救出されることを望むというような本来まともな願いを書いている人はゼロだった。というか、私はいつ普通の人間が出てくるかと順番待ちの気持ちで読み進めたのだが、50人すべてが低脳だった。コメントに高評価、低評価する機能がある。私は50すべてに低を付けておいた。
『世界報道写真展』で目立ったのは、ロヒンギャだったり過激派組織ISISのテロリズムだったりで、世界の悲劇が数多く展示されていた。ちなみに、このジャンルも含めて「世界報道写真」で日本人カメラマンの作品はない。安田さんは戦場カメラマンではないのだが、数少ないアラブ専門ジャーナリストだ。本来、日本人ジャーナリストの至宝であって、非難される謂われなどない。クズのような連中の居丈高でネトウヨちっくなコメントを結果的に読んでしまって、本当に後悔した。戦前の世論ってこんな感じだったのだろうな。
 
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