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2017年07月22日10:35

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木の塗装 オイルフィニッシュ

木の塗装 オイルフィニッシュ
 DIYで木を使った色々な物を手作りされている方は多いと思う。プロとアマチュアとの大きな違いは塗装仕上げのクオリティではないだろうか。だが、アマチュアでも手間と期間をかければプロ並みの仕上げを実現できる。塗装のコツは、時間をかけるのではく期間をかけること。素人塗装の最大の問題点は、塗りムラとホコリだろう。スプレーで塗装してもムラとホコリは無くせない。特にホコリ、工場などで塗装する場合は、クリーンルームを使う。車の塗装でもそうで、ホコリが一切ないクリーンルームで車の塗装が行われている。これは、他の製品でも同じ。だが、趣味のDIYでクリーンルームなんて無理。そこで、日にちをかけてクリーンルーム無しで、ホコリ無しの塗装を実現する。それが拭き取り塗装だ。塗料を厚く塗るとどうしてもホコリが付く。そこで、厚く塗装しては磨くを繰り返して、ホコリを除去するのだが、これは、手間暇がかかる上に決して易しい方法でもない。仕上がりもプラスチックをコーティングしたみたいにテカテカ。木製品の仕上げとしては、どうもいただけない。そこで、おすすめなのがオイルフィニッシュという方法。オイルフィニッシュは、布なので木にオイルを染み込ませるように刷り込み、その後別の布で拭き取るという方法。極薄く塗装する。これを何度も繰り返す。今では、オイルフィニッシュも普及していて、やっておられる方も多いかもしれない。昔から専門家が行っていた方法だ。市販のオイルフィニッシュ用塗料もあるのだが、石油系が多い。そこで、手にも優しい天然系の塗料でオイルフィニッシュをする方法を紹介したい。良く知られているのが、リンシード系の塗装。亜麻仁油だ。植物油には、乾性油と非乾性湯がある。食用油の多くは非乾性油だ。乾性油とは、時間が経つと乾いて固くなる植物油のこと。その代表格がリンシードオイルだ。ヨーロッパでは家具の仕上げに良くリンシードオイルが使われていた。だが、リンシードオイルには困った性質がある。それが、非常に乾燥が遅い、ということ。油彩画の溶き油として使われるペインティングオイルは、リンシードオイルに乾燥促進剤や樹脂が加えられている。乾燥を早めるためだ。画材屋へ行くと、いろんなオイルが並んでいるので、油彩画の知識のない場合、どのオイルを選択していいのか迷う場合が多いだろう。元々塗料として売られているわけではないので、どのオイルが塗料に向いているのか判断も難しいし、画材屋の店員さんも、塗装用の塗料の知識があるわけでもないだろう。
ベースのオイルはリンシードオイルを使う。
 今では、様々なオイルが画材用として使われるが、塗料として最も適しているのは、リンシードオイル(亜麻仁油)だ。皮膜が非常に丈夫なのが特徴。木との相性も非常に良い。リンシード系一択で良いと思う。間違ってもポピーオイルは選択しないように。リンシード系のオイルには
生リンシードオイル(亜麻仁油100%)
ペインティングオイル
サンシックンドリンシードオイル
スタンドリンシードオイル
等がある。
 生リンシードオイルとは、何も混ざっておらずリンシードオイルだけ。亜麻仁油100%なので良いだろうとお思いだろうが、そうではない。画家が溶き油を作るベースとして購入するもので、リンシードオイルだけを油彩画制作の溶き油として使うことは、ほぼない。性質としては、乾きが遅いことが挙げられる。ペインティングオイルよりも乾燥にかなり時間がかかる。
 ペインティングオイル。普及品と高級品がある。何が違うか、というと使われている材料が違うのだ。普及品の樹脂はほぼ人工の樹脂で高級品では天然の樹脂が使われている。結構高価な樹脂だ。樹脂を入れるのは乾燥を早めるためと光沢。それにさらに乾燥を早めるために乾燥促進剤も入れられていたりする。そのため、夏場は、ほぼ1日で蝕指乾燥する。蝕指乾燥とは、触って乾燥してるかな、と分かる乾燥をいう。本当に乾燥しているわけではない。蝕指乾燥は、乾燥促進剤と樹脂によるところが大きい。リンシードオイルが完全に乾くのには数ヶ月から数年かかるとも言われる。その間にキャンバスの絵の具面を何かに接触させておくと、せっかく描いた絵がくっついて残念な結果になってしまうのだ。
 サンシックンドリンシードオイル。このオイルは高級品。値段も高く、粘度も高く、小さめの瓶に入っている。日本語では、日晒し亜麻仁油と言う。説明すると長くなるが、リンシードオイルを日光に晒して、乾燥しかかっているような状態にしたオイルだ。水の入った瓶にリンシードオイルを入れて、蓋をせずに日光に数ヶ月晒す。非常に手間のかかる製造法で、そのため高価になる。
 スタンドリンシードオイル。これは、無酸素状態で加熱したリンシードオイル。リンシードオイルだが、黄変が抑えられているオイルだ。サンシックンドリンシードオイルよりも、やや乾燥は遅い。スタンドオイルを塗料として使うメリットはあまりない。黄変しにくいので油彩画用の溶き油としてはよく使われる。
 加工されたサンシックンドリンシードオイルと、スタンドリンシードオイルは、高級品で、高価。特に、サンシックンドリンシードオイルは、古典絵画を描いている画家の必需品で、優れた光沢を持った絵肌に仕上がる。非常に美しい光沢が得られるため塗料としても使われる。生リンシードとは、加工前の素材とお考えいただきたい。そのまま使うことを前提とはしていないのだ。コスパを考えたら、ペインティングオイルを使うのが一番いいと思う。ただ、揮発油も入っているので、量としては生リンシードオイルの方がいいのだが、乾燥は極端に遅くなる。リンシードオイルに、天然の樹脂と乾燥促進剤を混ぜて、自分でペインティングオイルを作るのがいいかもしれないが、専門知識が必要。
 中には、高級な天然塗料が欲しい、という人もいるかもしれないので、それも紹介しておこう。
 サンシックンドリンシードオイルやスタンドリンシードオイルをベースに天然樹脂を加える。天然樹脂には、軟質系と硬質系に分けられる。硬質系の樹脂には琥珀などがある。琥珀を塗料の原料として使うわけで、どれだけ高価なのかお分かりだろう。軟質系の樹脂(ダンマル、マスチックなど)は光沢がややソフトに仕上がり、硬質系樹脂(コーパル、琥珀など)は光沢が際立つ仕上げになる。コーパルは琥珀に近い樹脂で、画材としてはランニングコーパルという使いやすいように加工されたコーパル樹脂を使う。自分で調合する場合は、専門知識が必要。
高級ペインティングオイル。
 クサカベ 
ダンマルペインティングオイル 軟質のダンマル樹脂とスタンドオイルを混ぜた高級ペインティングオイル。
コーパルペインティングオイル 硬質のコーパル樹脂とスタンドオイルを混ぜた高級ペインティングオイル。優れた光沢が得られる。
 ホルベイン
スペシャルペンチングオイル 軟質のダンマル樹脂とスタンドリンシードオイルを混ぜた高級ペンチングオイル。
どれも描画用のためスタンドオイルをベースにしている。光沢を出したい場合は、クサカベのコーパルペインティングオイルを選ぶことになる。かなりテカテカになる。市販の高級調合オイルでスタンドオイルが多いのは、リンシードオイルの黄変が抑えられているからだ。
 最強の光沢を得たい時は、サンシックンドリンシードオイルとコーパル樹脂及び琥珀の組み合わせになる。市販品としてはクサカベからコーパルワニスが販売されている。リンシードオイルにコーパル樹脂を溶かし込んだワニスだ。楽器の塗装などにも使われ、塗料としても使用可。
 自作でコーパルワニスを作る場合は、ランニングされたコーパルガムを購入し、それをテレビンに溶かし込む。天然樹脂は、ペトロールよりもテレビンの方がよく溶ける。コーパルガムを溶かし込んだテレビンとサンシックンドリンシードオイルを混ぜる。テレビンは揮発するのでコーパルの濃度を濃くしたければ、コーパルガムを溶かし込んだテレビンを揮発させて濃度を濃くする。ランニングしてないコーパル樹脂は、ほぼ溶けないので、ランニングしてあるコーパルガムを使う。同じような方法で、ランニングしてある琥珀(アンバー)を使えば、琥珀のワニスも作れる。
まとめ
 入門用オイルフィニッシュ用オイル
一般的なペインティングオイル 生リンシードオイル(亜麻仁油)よりも乾燥が早く比較的に安価
 高級オイル
クサカベのダンマルペインティングオイル 光沢がソフト
クサカベのコーパルペインティングオイル 光沢あり
ホルベインのスペシャルペンチングオイル ダンマル樹脂のため光沢はソフト
 超高級オイル
ランニングしたコーバルガムをテレビンに入れて溶かし サンシックンドリンシードオイルを混ぜる
テレビンは揮発するので、サンシックンドリンシードオイルとコーバル樹脂が残り乾燥して光沢を出す。
 超超高級オイル
ランニングした琥珀(アンバー)を使用。作り方は、超高級オイルと同じ
コーバルも琥珀もランニングしていないものは溶けない。ランニングには数百度で加熱する必要があって自作は非常に難しいので、ランニングしたコーパルガムや琥珀を買って使った方が楽。この琥珀を使ったワニスは、高級なバイオリンのニスとしても使用されていた。表面が硬く綺麗な光沢が特徴。
オイルフィニッシュの基本的なやり方
 布にオイルを染み込ませて、木に擦り込む。満遍なく擦り込んだ後、乾いた布で拭き取る。オイルを塗った後に拭き取るとホコリも付きにくく、ついてもカラぶきで取れる。布には、ウエスがよく使われるが、古いTシャツでもOK。その後、1日以上乾燥させる。乾燥中は、決して触ってはいけない。布にオイルを染み込ませて塗るだけなので塗っている時間は割と短い。だが、その後まる1日は乾燥させるので、10回塗るのに10日かかる。これが期間がかかる理由。焦って十分乾燥してないのに次の塗装をしてしまうと前に塗ったオイル剥がれてしまう。元の木阿弥になるので、乾燥だけはしっかり行う。生リンシードを使った場合は、乾燥期間は数日は取った方がいいが、1週間経っても乾燥していない場合もある。これが乾燥の早いペインティングオイルをおすすめする理由。
オイルフィニッシュの裏技
 オイルを塗った後、直ぐに耐水ペーパーで磨く。磨いた後、布で拭き取り乾燥させる。オイルが乾いてから磨くのではなく、濡れている状態で磨く。これを何度も繰り返すとピカピカの光沢が得られる。ピカピカになりすぎるので木の質感を残すためにも、適当なところで止めるのがコツ。












 
 
 
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