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2016年01月31日21:02

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森に還る日

 昨夜は興奮した。日本が同点に追いついた瞬間、雄叫びをあげたほどだ。
 韓国が後半2分に追加点を入れた時点で(0対2)、日本の勝利を諦め、テレビを消して寝ようかと思ったのだが、惰性でしばらく見ているうちにスーパーサブの浅野が交替出場し、わずか数分後に当の浅野がファインゴール、さらにわずか1分後にもゴールが生まれて瞬く間に同点。後半36分に浅野がふたたび勝ち越しゴールを奪い、大逆転で勝利。ボールキープ率は韓国53パーセント日本47パーセントというデータだったが、全体の印象としては韓国6で日本が4というポゼッションだ。実力で劣るイレブンの集中力がひとつになって撃破できた快挙だ。あまりに嬉しくて表彰式の最後の最後まで見届けてしまう。準決勝のイラク戦も奇跡だったが、決勝も引き続いて奇跡だ。奇跡が続けて2回起きることもあるのか、と感嘆しつつ、午前2時に就寝。
 今日も体調は悪いものの、気分は正反対に爽やかだった。前向きな気持ちを大事に温めるようなあんばいでパソコンの前に座り、原稿をちょこまか触る。気が緩むと面倒くさくて向きあう気持ちが失せるんだよな。
 晩ご飯前、星野道夫さんの写真集を6冊の文庫版にしたうちの1冊『森に還る日』を手にした。美しい写真と文章の文庫だ。うちにある文庫本のなかではいちばん綺麗かもしれない。深い森の写真はそもそもそれだけで生命を感じるものだが、星野さんの目が向いた森や川や動物はまるでこの世のものと思えぬ美しさがある。
 こんな文章が載っている。

 東京で電車に揺られている時
 雑踏の中で人込みにもまれている時
 ふっと北海道のヒグマが頭をかすめるのである
 ぼくが東京で暮らしている同じ瞬間に
 同じ日本でヒグマが日々を生き、呼吸をしている

 原生林の森と人が多い都会は地続きである、ということはほとんど意識にのぼらない。だからというわけでもなかったのだが、夜、風呂に入るとき、久しぶりに電気を消して窓を開け、冷たい風を頬に受けながら闇の半露天風呂となった浴槽に浸かった。せっかちなので瞑想や気功はできないのだが、いまの季節、ぬるいけど気持ちいい温度の風呂にだらだらと浸かることくらいならできる。
 30分くらいの長湯をし、体を洗わずに出た。なんて贅沢な時間。
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