岐阜県の「産廃総合商社」が廃棄処分の冷凍食品を不正転売していた事件で、毎日、新たな実態が明るみに出ている。今日は、ローソンの炭火焼き鳥や「からあげクン」、丸大食品の豚肉加工物などの賞味期限切れが市場に出回ったようだ、と報道されていた。
けしからんという気持ちはあるが、それとはまったく別の感想がある。廃棄するローソンの焼き鳥が2万9千本という数字を見て、しばしば批判されている食品廃棄量の多さを再認識したのだった。この零細業者1社の取り扱い量だけで、たとえば大災害を蒙ったフィリピン・レイテ島の被災住民が1週間や2週間くらい暮らせるほどの食糧なのでは、と。世界で飢餓に苦しむ人々が6億人います、満足な栄養をとれない乳幼児がうん千万人います、というようなレターが毎月のように届く。アフリカなら運搬日数がかかって本当の廃棄物になってしまうけれどフィリピンくらいの距離なら賞味期限内になんとか到着可能かもしれない、などとつい考えてしまう。家畜の餌に回す古米と焼き鳥とからあげクン、という配給であってもそれをありがたいと感じる被災民はいっぱいいるはずだ。フィリピンのミンドロ島を訪ねて、質素なコンドミニアムを経営している家族の朝ごはんに交じらせてもらったことがある。そのお宅ではコーヒーに練乳を入れて飲んでいて、ご主人が「この島で練乳を使っているのは裕福の印なんだ」と誇らしげに語ったことを覚えている。それから20有余年が経ったが、少なくとも台風や津波の被害があった島にあっては昔話じゃないはずだ。
学生時代、金が乏しくなってやむなく駅前のパン屋で食パンのヘタ20枚入り20円の袋を何回か買った身としては、実感として美味しい焼き鳥(賞味期限寸前)を食べてもらいたいとせつに願う。もちろんそれが北朝鮮国民であっても、だ。食欲に国境はない。
やさしい気持ちになってしまう一因は、体が衰弱しているからだ。
今日も微熱があって、何十年ぶりかでパジャマのまま過ごした。寝たり起きたり。
どうしても返信しなきゃいけないメールを書いたり、相変わらず頑固に『えんぴつで奥の細道』を1日分書き写したりはしたが、あとは臥せってだらだらと本を読んでいた。軽めの文庫本を買っておいたのが幸いした。難しい本は読む気にならないが、エッセイ集くらいならテレビを見るよりラクだ。
退職仲間の友人から勧められた口内洗浄剤「コンクールF」をAmazonで検索したらあったので、ポチった。「買ったよ〜」とスマホでメールしたら、丁寧な返事が来て「お大事に」と末尾にあった。彼も私と似たような状態をただ今経験中なので、こういう男からお見舞いの言葉をもらうと励みになる。
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