mixiユーザー(id:5462733)

2015年06月10日09:36

424 view

フォルムの実際 19世紀 ナチュラルカラーシステム

フォルムの実際 19世紀 ナチュラルカラーシステム(NCS)
 現代いろんな分野で広く使われているのがナチュラルカラーシステムだ。これは、19世紀に発見された色相環にホワイトとブラックをプラスしたカラーシステムになる。カラー印刷にブラックが加わってCMYKの4色印刷が一般化したように、現代では、色の3原色にホワイトとブラックをプラスしたナチュラルカラーが主流になっている。これは、油彩画でも同じで、パレット上には、様々な色の他に無彩色のホワイトとブラックが出される。この色の組み合わせは、セザンヌが既に実戦しているし、マネやルノワール、ドガも同じような組み合わせで色を作っていた。印象派の画家が、パレット上からブラックを追放したと言うのは間違い。だが、一部の印象派の画家は、ブラックをあまり使わなかったと言うのは事実だ。風景を主に描いていたモネやシスレーは、ブラックをあまり使っていない画家になる。しかし、モネは風景画では、ブラックをあまり使わなかったがジンクホワイトは良く使っており、ホワイトを混ぜる事で色を殺していた。これはシスレーも同じだ。セザンヌは、ホワイトは伝統的なシルバーホワイト、そしてブラックは、ピーチブラックを使用している。このセザンヌのパレットがそれ以降の西洋絵画の代表的な色彩傾向となっていく。これがナチュラルカラーシステム(NCS)だ。印象派の画家の中にも、ブラックを重視していた画家がおり、いわゆる色の3原色での混色理論は、ポスト印象派の時代には既に崩れていた。元々印象派においても油彩画での色の3原色での混色理論などなかったのかも知れない。後付けで無理矢理説明されただけではないかと思える。セザンヌのパレットには、印象派時代の代表的な色にくわえて、ホワイトとブラックがしっかりと出されていた。同じポスト印象派のゴッホ絡みで面白いエピソードがある。ゴッホを得意にしていた贋作作家がおり、捕まって収監された。釈放されると贋作ではなく、模写作家として正規のルートで自分が描いた模写作品を販売し始める。模写や複製は、権利関係がクリアーされていれば販売も認められる。その作家がゴッホの模写を仕上げる時にちょっとした裏技を使う事を公開した。それが、コーヒーだった。仕上げたゴッホの模写にコーヒーを垂らして塗り込むのだ。こうすると色が落ち着いてしっくりくると言う。ゴッホの油彩画には、いろんな秘密が隠されていて、このコーヒーもその1つだ。実際にはゴッホはクロームイエローを良く使っていて、このクロームイエローは経年変化で黒変化する。鮮やかなイエローが渋いイエローに変化するのだ。これをコーヒーで表現したのではないか、と思われる。これもナチュラルカラー化の1つで、画家は、意図的に古色のような表現を油彩画を描く時に用いている。その他にも、ゴッホは色弱だったのではないか、と言う説もあって、ゴッホは、ナチュラルな色を描こうとしていたのだが、色弱のために強い色彩の絵になってしまったのではないか、と言う。モネにも目の障害があり、絵画における強過ぎる色は、その画家の目の状態とリンクしている場合がある。本人はナチュラルな色を描いているつもりだが、結果的に尖った色彩になってしまうのだそうだ。そう言う意味では、非常に個人的な色彩、と言う事になり、それを一般的な色彩の基礎とするには無理がある。色弱の画家は、絵では色が派手になる傾向があると言う。色弱にもいろいろあって、程度の差は個人によっても変わってくる。まったく色を感じない色盲もあり、色弱は、色は感じるが特定の色の感度がやや弱いと言う程度だ。色弱の画家はわりと多いのではないか、と思われる。色弱だから色が派手に強くなるため、一般の人には分かり難いのかも知れない。ゴッホの色弱説も、近年になって出てきた説で、思ってもいなかった人も多いのではないだろうか。目の状態と画家の色彩は密接な関係にある。色弱と言っても、視力の差と同じようなもので、日常生活には支障がないのが普通だ。色を判別できない色盲の方のために、色での掲示の場合は明度を変えるなど工夫がされている。色弱の場合、色彩に関しては部分的に弱い部分も出てくるが、明度変化に敏感になるなど、特別な機能も備わる場合もあって、これも個性と言っていいのではないだろうか。




1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年06月>
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930