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2015年04月18日21:07

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私なりの「おもてなし」(ひら乃にて)

 午前、大学の先輩に約束していたCDを焼く。アーティスト名と曲名、ポップな背景をCD-Rにプリントしたほうが聴いてみたくなるので、結構真剣にデザインした。彼は元編集者ゆえ、私にも見栄がある。ディスプレイと真剣に向きあっていると、あっという間に小一時間が過ぎていた。
 小腹も減ったことだし、郵便局で投函したらそのあとラーメンを食べよう。さらに、図書館の予約本(中村敦夫著『簡素なる国』)も受け取りに行かねば。ずっと蟄居していたので長距離を歩くのが憚られ、自転車に乗って出かけた。
「ラーメンひら乃」に行くと、3人が店外で並んでいた。店はカウンター7席の「日本でいちばん小さなラーメン屋(@店主談)」なので、土曜日ならこれくらいの行列はしばしばあることだ。
 10分ほどで5〜6人が出て来た。ふう、ようやくラーメンにありつける……。
 と喜んだのもつかの間、私の前の3人が大声で小町通りのど真ん中に進み出て、仲間を呼ぶではないか、中国語で。
 彼らが中国人であることは待っている間にわかっていたが、団体で鎌倉に来ていることがこの時点でわかった。
 待っているとさらに食欲が湧いてきたので、一瞬、この「反則」にイラッとしたが、近隣の店を冷やかしていた3人を笑顔で通してあげることにした。と、中国人ガイドが私のそばに駆け寄ってきて、たぶん「ごめんね」というような中国語を私に話して頭を下げる。
「オーケー、ユー・アー・ウエルカム」と中学生レベルの英語で答えると、理解したようだ。
 また7〜8分くらい待った頃に店内の中国人観光客が出て来たので、ガイドに「エニ・モア・チャイニイズ・ツーリスト?」と親切心から質問したら、通じたらしくて指を2本立てた。その人数なら食べ終わった客より少ないので、私が入店して可だ。中国人を先に入れてあげ、続いて私も座った。これで満席。
 オヤジに「15分か20分くらい待ったぜ」と声を掛けたら、「今年になってタイ人と中国人の観光客が増えちゃって。これ以上さばけないので、2回もテレビ取材を断ったくらいだよ」とあまり嬉しそうな表情ではなかった。
「ここまで浸透してきたかアベノミクス(笑)」と冗談を返したら、「オレさぁ、どちらかというと忙しくないほうが嬉しいんだ」と商売人にあるまじき発言をした。
「ダメだよ。まだ老け込むには早過ぎる」と言うと、「東京オリンピックまでガンバっか」と彼は答えた。
 そんな会話を交わしていると、扉が開いて、先ほど私に頭を下げた中国人ガイドが「ワタシ、食べたい」と言い、腕時計を指差しながら「5プン。外で立って食べる」というような片言でオヤジに言うので、私は「アイ・キャン・チェンジ」と立ち上がろうとした。
それを傍らで聞いていた早食いの中国人観光客が立ち上がって店外に出たので、ガイドも店内で食べられることになった。
 よかったぁ、と思う。ガイドはどうやら私とどっこいどっこいの英語力しかないようで、日本語はさらに下手くそだった。なんで意思の疎通が出来たかどうか怪しいものだが、少なくとも示した好意は理解したようだ。
 彼より先に私が食べ終わって店を出ようとしたら、握手を求めてきた。手を差し伸べたら、予想を遙かに超える力で私の手を握り、なんか喋っている。
 私は私で彼に言った。
「ヒラノーズ・ヌードル・イズ・ベスト・イン・カマクラ。プリーズ・リコマンド!」
 ガイドは激しくうなずいて、ふたたび私の手を握った。
 外国を旅していると、親切にされた時の感激は自国内で受けたそれの何倍も強い。来てよかった、と心底思えるのは、名勝や名刹を見た時より、その国で親切を受けた時だ。
 私は日本人には不親切だが、外国人に対してはどうしても親切に接したい。
 一杯のラーメンを食うのに予想外の時間を費やしたので、エネルギー切れを起こし、図書館で雑誌を読む気力がほとんどなかった。「本の雑誌」で文芸評論家の小谷野敦が自身の芥川賞落選にチョー立腹して「芥川賞卒業」をぐだぐだ書き綴っているのが面白かった。本人は芥川賞選考批判のつもりで公憤で論を張っている様子だが、ただの愚痴だ。いや、そんな風に読者に思わせる計算で書いているような気もする。小谷野のような秀才は、二重三重にウソをつくので、油断ならない。
 こういう記事を書く方も読む方も下品だなぁ、と思いつつ、つい週刊文春の「フィリピン買春1万2千6百人の変態校長」を読んでしまう。校長を世話した元売春婦や、買われた売春婦の証言構成で、彼が本当に1万2千人もの買春をしたことがリアルに感じられた。
 元校長はまだ横浜の家にいるようだ。すごい取材攻勢を受けているだろうな。なかには、取材じゃなく三流広告代理店から強精剤の宣伝依頼が届いたり、同じく三流出版社から自伝執筆依頼もあるだろう。彼の経済効果は3億円くらいあるんじゃないか(当研究所調べ)。なんか書いててイヤになってきた(苦笑)。どう日記を結んだらいいのだろう。
 今日は今日で昨日より少し身体がラクになりました。
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