消えたいと思うほどではないけれど消したいものがひとつ増えてる #短歌
「青だけが残った」なんて悲しそうに言う君の手を握りしめた日 #短歌
手放したあとの両手に降る雨が優しさだったと気付く夕暮れ #短歌
光さえ掴めぬママの指先で今日もスマホの画面をなぞる #短歌
雨だって言い訳したい夜がある 傘を忘れた僕の言い訳 #短歌
手放された雲の欠片が地上へと落ちてゆくときの小さな破壊 #短歌
「捨てられた」なんて思いたくないから雨のせいにして歩いて帰ろ #短歌
言い方を変えたところで結局は濡れて帰るしかない歩道橋 #短歌
手のひらに残った青を喉奥へ流し込んだら静かな朝だ #短歌
快速に乗ったせいでさよならが予定より早く着いてしまった #短歌
高架線越えればそこは未来都市 僕らふたりの存在しない #短歌
ひと駅で過去になるならもう一度各駅停車に乗り直したい #短歌
中央線遅延のおかげであなたとの現在(いま)がほんの少しだけのびる #短歌
夕立のあとの匂いを説明することに似ているあなたのことは #短歌
涼しさを肌にひろげて息をする9月の雲は呼吸のようで #短歌
銀テープ降り注ぐ夜の真ん中で僕らふたりは永遠になる #短歌
羽が抜けてたくあんすらも噛めないがまあいいかと思って生きている #短歌
星くずをステップにして踊る君のつま先からはじまる朝だ #短歌
冷えた缶の表面のしずくが指を伝って落ちていく音が好きです #短歌
カーテンの隙間から差す広い光 お別れの朝におはようを言う #短歌
★
ログインしてコメントを確認・投稿する