ポップスになった絵画
漫画絵、アニメ絵という意味ではなく、絵画のテーマが、庶民生活をモチーフにするようになった、という話し。フェルメールなどが、風俗画の画家と言われる理由がこれだ。また、19世紀のパリで、マネなどが取り組んだ絵画も、庶民をテーマとしたものだった。市民革命によって、画家のお客さんが、王族から、庶民に移ったためだ。この変化は、大きかった。フェルメールの時代も共和制だった。後に王政に変わる。民主主義国家では、庶民が主役となり、絵画のお客さんも、庶民となるため、必然的に、絵画のテーマも庶民の生活がモチーフとなるということ。イラストや、漫画、アニメも同じ理由で、大衆向けに作品が制作されている。これが、ポップカルチャーだ。ただ、日本のポップカルチャーには、特殊な特徴がある。ワールドイズダンシングというアニメの中でも描かれているが、お公家さんの存在だ。その中に、主人公である若かりし頃の世阿弥のファンだと自称するお公家さんが登場する。将軍とそのお公家さんが謁見する場面に、驚いた人もいたかもしれない。そのお公家さんは、将軍の上座に座っていた。武士にとっては、煙たい存在だが、世阿弥のファンとして、陰から支えることになる。世阿弥は、身分的に、そう高くはない。僧侶もそうなのだが、身分に関係なく交流を持つことも普通だった。お公家さんが、庶民に、文化や美意識を教えることも行われていた。絵画で言えば、本阿弥光悦や緒方光琳などがそうだった。庶民と言えるかどうかは微妙だが、僧侶などを介してお公家さんとの交流が、行われていたようだ。ワールドイズダンシングでも、お公家さんの美意識を若き世阿弥だけではなく、将軍にも教授しているシーンが描かれていた。何気ないシーンだが、歴史上、非常に重要なエピソードとなる。日本の大衆文化には、公家文化の美意識の影響があった、ということだ。日本の大衆文化が、洗練された文化だと称される要因の1つだろう。日本の漫画やアニメ、イラストもそうなのだが、西洋絵画の影響を受けながらも、日本の伝統的な文化を色濃く受け継いでいる。日本の油彩画も、この流れになっており、庶民生活をテーマとしたモチーフの絵画が、多く描かれるようになった。
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