つねった場所からさめるような気がしてる何度目の海だろう この街 #短歌
うすい皮破ればあふれるつぶあんをすくいとるように夜が更けていく #短歌
さざめきは水底の色 ストローを噛んでわたしは呼吸を止める #短歌
周りの熱がうつらないように座っているライブの前の静かな島で #短歌
朝の光に夢が溶けてく この話を誰に預ければいいのだろう #短歌
目が合わなくても幸せなのはあなたの歌が私を呼ぶから #短歌
切りすぎて痛い それでも切りたい ぼくは自分が大嫌いなのかもしれない #短歌
記憶という引き出し開けて今の私にいちばん優しい曲をかける #短歌
手ざわりが消えそうな思い出を抱きしめるための5分間のラブソング #短歌
服を脱ぎ捨ててゆくまぶしさよ あかるい色の服を買おうかな #短歌
エスカレーターは空につづいてわたしも少しだけ透明になります #短歌
まわりと同じ色に染まっていくような ここはすこしだけ夢に似ている #短歌
改札を抜ける靴音ひとつぶん 朝はわたしをほどいてくれる #短歌
塗り替えられてゆく影の長さ あかるい場所ですこし嘘をつく #短歌
あかるい場所にはあかるい私だけ 今日の自分をここで見つける #短歌
さみしさもコンクリートに埋め込んでゆらぐ水面と眠る高層 #短歌
嘘みたいな光の森を歩きだす巨大な積み木みたいな有明 #短歌
いないはずのひとに話しかけている 夢の匂いがまだここにいて #短歌
聞かせたい夢ほどきみには言えない 秘密のほうがぼくを作ってる #短歌
水しぶき笑顔のかたちして消えて夏は何度も生まれなおせる #短歌
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