濡れ葉の緑は今日を許す色 湯気の向こうで朝がほどける #短歌
理由など後から言葉が作るもの芽吹きはただの現象である #短歌
虹になる以前を世界と呼ぶのなら色彩はまだ沈黙である #短歌
雷鳴のあとに残った青空へ羽化するように脱ぎ捨てる影 #短歌
汚れるを前提とした選択は自由の形式に近い気がする #短歌
汚れてもいい服ばかり増えてゆく気づけば僕もそんな年齢 #短歌
カーテンの波をひとつも逃さずにファルムの中で午後が眠った
#短歌
自己とは未定義変数であり続け理解はいつだって事後に届く #短歌
水たまり覗けば空も隠れててわたしの顔もまだ途中です #短歌
窓辺にはレースの影が揺れていて照れ笑いまで午後に溶けてる #短歌
可愛げはあると言われてうれしいがそれだけなのかもと思います #短歌
昼休み窓辺にひとつ置かれてる 石のふりしたやわらかな声 #短歌
風鈴の鳴らない午後を抱きながら青はゆっくり窓辺へ満ちる #短歌
まぶたにも鍵穴があり眠るたび夢は小さくノックを返す #短歌
楽しかったねと言う為だけのためにある帰り道かもしれない真夏 #短歌
街じゅうの恋がぱたんと閉じるたびねむたい猫が増えていくんだ #短歌
ポケットの裏地にひとつ朝が来る 捨てられないでやわらかく鳴る #短歌
終電の光を指でほどきつつ昨日の靴を静かに履いた #短歌
そのノートのぞいてみたい 夏の日よ 句読点まで炭酸の音 #短歌
溶けること知ってて買った氷にも少し期待をしてしまう夜 #短歌
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