mixiユーザー(id:8077411)

2026年08月16日18:26

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短歌

さよならも言えない坂道滑り台 空は青くてあおざめていた #短歌



万歳という降伏をしてしまえ どうせ地面はすぐそこにある #短歌



あの世とは死者の場所ではなくなるし思い出になる直前の場所 #短歌



さくらんぼを最後に残す母を見て溶けるアイスの匂いを聞いてる #短歌


知り過ぎたことより忘れられずいる言葉の棘がまだ残ってる #短歌



朝の鍵まわす音まで似ていても違う物語ひらいていくね #短歌



シャッターの隙間に朝が差し込めば鍵盤みたいな光が伸びる #短歌



英雄の物語にはならなくても果物を剥く手は確かに生きる #短歌



やわらかな桃のしずくを受けながら名前のない日を大事に生きる 短歌



痕跡を消そうとするその動作こそ存在していた証拠になる #短歌



空っぽの椅子に陽だまり置くようにゆっくり今日を座らせている #短歌



消し跡のざらりとしたる白さかな 愛の抜け殻そこに置いてく #短歌



本当ならひと言くらい言えたのに言わずに終わる日もまた普通 #短歌



優しさとためらいはよく似ていてどちらも皿の端に残される #短歌



磨くたび少しやさしくなるような月を抱えて眠るスプーン #短歌




圧縮ファイル解凍されるみたいにね 内臓たちが定位置へ戻る#短歌



解放は思想ではなく重力に従うことなら始まるのかも#短歌



触れないでおこうと決めた指先に小鳥みたいな風がとまった #短歌



「あ」から「ん」まで降る雨みたいにして君の窓辺を明るくしたい #短歌



生きる意味なんて難問より先に手を振ることが成立している #短歌




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