説明を拒む喜びのかたちとして振られる手と振り返す手 #短歌
散らかる部屋に沈む夕日は君とふたりで生きている色 #短歌
あるいは神様がつくった家で僕は脱ぎっぱなしの靴を探してる #短歌
カカオ色した夕暮れをひと粒の飴みたいにまた舌で転がす #短歌
返事など来なくてもいい顔をして波の数だけ時間を渡る #短歌
未送信フォルダのような水平線 期待だけ既読にならないままで #短歌
置き去りにしたつもりの期待ほど波打ち際で何度も戻る #短歌
ラムネ玉みたいな青を抱えつつ海は誰にも謝らないね #短歌
まだ誰のものでもない夕暮れがペンキの雫で揺れていました #短歌
サーバーは稼働中です 深夜二時 感傷だけがメンテ中のまま #短歌
まだ生きているという事実だけでは救われない夜があること #短歌
まだ生きてるらしいと聞いて安心しそのあと少し寂しくなった #短歌
青すぎる午後のはしっこに集めたらこんな銀色になる気がした#短歌
人はみな無力な防波堤として缶や言葉並べて生きる #短歌
その雨の冷たさを静かに受け止めてあなたのシャツをそっと乾かす #短歌
帰る場所あるから空は青くてあたたかい匙の音が聞こえる #短歌
誰にだって少し壊れたまま生きる 濡れた床には濡れた理由が #短歌
人はみな終わったものを処分するために鮮やかな色を発明した #短歌
何も考えてないよと答えてすこし速足で靴紐を結ぶ #短歌
喜怒哀楽どれにも属しきれなくて放課後みたいな顔になってる #短歌
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