甘さだけが残るように飲み干して気分の底を静かに見てる #短歌
そのままで待っていていい重さだと空はなにも言わずにいる #短歌
ただいま適量が不明ですので各自の判断でお入れください 短歌
ただいまファッティング中でございます どなたの肩にもまだ属しません #短歌
穴ひとつあいただけなのにどうしてちがうものって感じになるの #短歌
椅子を引く余白が主体であるならば書き換えられるわたしは仮文 #短歌
美しさ逃げ場のなさを照らし出し桜は戻らぬ方角で舞う #短歌
水を欲り水をこぼして言ってるそばから砂漠をひろげてしまう #短歌
花しずく別れをとかす四月ってきらいと言えず喉で微笑む #短歌
まあいいかって思えたから進めるね 歩いたほうにいい日をつける #短歌
苺ジャムまみれの銀のスプーンが宇宙(そら)の鏡に反射している #短歌
風に揺れながら保たれる約束が青の静けさへ溶けてゆく午後 #短歌
ほんとはねって言えないままの夕方がやさしいだけでできてしまった #短歌
牛丼のトレイの上にこぼされた紅生姜 それたぶん僕だね #短歌
呼ばないでいよう やさしい午後だから 無花果のままふたりでいよう #短歌
テーブルでイヤホンほどく午後があり鳴らなくていい日もある気がする #短歌
無花果は名称入力後に変化する午後はその仕様に含まれる #短歌
分けあえるという仮定を信じてるナイフの刃に小さな太陽 #短歌
すれ違うわたしが薄くなる午後六時 影だけが濃く残る夕暮れ #短歌
大丈夫 うまく返さなくてもいいその重さごと抱いていけばいい #短歌
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