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2026年05月28日21:37

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5/26 北斎 冨嶽三十六景 井内コレクションより@国立西洋美術館

チュルリョーニス展と同時開催のもう一つの企画展。こちらは2024年に井内コレクションより国立西洋美術館に寄託された北斎の『冨嶽三十六景』(1830–33年頃)を初披露する展覧会であり、代表作である本シリーズ全46図が一挙に公開されている。同じチケットで入場できるのに、観客数はチュルリョーニス展の2倍のイメージ、外国人も多い。
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https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2026hokusai.html
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江戸時代後期の代表的浮世絵師、葛飾北斎(1760‒1849年)は、その斬新な構図と、自然や人物を生き生きと捉える卓越した表現力によって、日本国内にとどまらず西洋美術にも大きなインパクトを与えました。2017-18年に当館で開催した企画展「北斎とジャポニスム― HOKUSAIが西洋に与えた衝撃」でもご紹介したように、彼の影響は、モネやドガら印象派をはじめ欧米各地に広がり、さらにはリトアニアの代表的画家M. K. チュルリョーニスの作品にも見られます。
本展は、2024 年に井内コレクションより当館に寄託された北斎の『冨嶽三十六景』(1830‒33年頃)を初披露する展覧会です。本シリーズ全46図を一挙に公開するとともに、特に高い人気を誇る2図については、それぞれ異なる摺りが1点ずつ加わります。追加されるのは、現存作の中でも際立って摺りと保存状態に優れた「神奈川沖浪裏」と、“赤富士”として知られる「凱風快晴」の希少な色変わり版、通称“青富士”の2点です。本展ではこれら合計48点を、十文字学園女子大学教授・樋口一貴氏の監修のもと、本シリーズの版下絵が描かれた順序を辿る6つのグループに分けて展示します。西洋美術を専門とする当館で北斎の代表作をご覧いただくことで、彼の作品が西洋近代の芸術家たちを惹きつけた歴史に思いを馳せつつ、その魅力を再発見していただく機会となれば幸いです。
また本展では、3点の作品を表裏両面から鑑賞できる展示方法を採用します。江戸の人々が浮世絵版画を手に取り、表や裏を返しながら楽しんだ感覚を、ぜひ追体験していただければと思います。

今更《冨嶽三十六景》と思ったが、面白い展示だったので、ついつい見入ってしまった。



ご存知の通り、三十六景とあるが好評につき10図が追加となって全部で四十六景ある。本編36図の輪郭線は、植物性の藍と墨を混ぜた暗めの藍色で、続編10図のそれは墨であるため、見分けがつく。では、本編はどういう順番で、つまり何図ずつ何回に分けて出版されたのか。それを解く鍵として北斎の署名の違い(バリエーション)を見ていくと、その書体によってA~Fの6グループに分けられるというのだ。

シリーズを始めたAグループには、有名な《神奈川沖浪裏》《凱風快晴》《山下白雨》などスケールの大きな作品が含まれている。
次のBグループは、ベロ藍ブームに乗じて制作された藍摺。北斎は、当時輸入された合成顔料ベロ藍が安価で発色よく、褪色しないことから大いに気に入っていたと聞いていた。
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最後のFグループでは、唯一視点を富士山中に置いた《諸人登山》↓があり、北斎としてはこれを本当の最後の1図とする意図があったのではないかとのこと。
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《神奈川沖浪裏》《凱風快晴》については、摺違いも提示。
《神奈川沖浪裏》に至っては、本展の開幕直前にコレクションに加わった作品もあって計3点。比べてみると、新コレクションのが一番早い摺のよう。
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その次がこれ。


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これは、浪の一本の線が途中で途切れている。版を重ねると線が不鮮明になったり、潰れたりする。
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《凱風快晴》(通称「赤富士」)↓については、大胆なアレンジをした通称「青富士」も並べて展示。
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画題や署名の文字が摩滅しているので、後摺だということがわかる。赤い地肌を取り除き、雲も上部にあるだけ。どうしてこのように改変したのか、その時期もわかっていないそうで、世界にも数点しかない希少なもの。何度も版を繰り返したのは、ザ・富士山というシンプルで美しい形、構図が人気を博したのかな。
そういえば、伝雪舟《富士三保清見寺図》は後世多くの絵師がそれを基本形とし、描いていたっけ。北斎の《凱風快晴》は、江戸時代以降ずっと私たちの「富士山のアイコン」になっているような気がする。

こちらは、同じ構図の《山下白雨》
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最も高い嶺の直下にある赤い点々は二つあるのだが、比較的早い時期に板木が欠損したため、点が一つになっている摺が多いといい、これは二つあるから早い摺だと解説にあった。
ただ、以前すみだ北斎美術館で見た時、もっと早い時期の摺は稲妻が細いという例が提示されていた記憶。
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さて、今までになかった展示として、表と裏を見せるという方法。
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馬連の跡も見える
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和紙は薄いので、普通は「裏打ち」をして保存するものだが、井内コレクションには当時そのままに保存されているものが多いという。

何枚もの版に絵具を乗せて重ねて刷った裏は、しっかりと透けて見えて美しい。和紙が破れないように優しく、だけれどっしっかりと印刷できるようにバレンで擦る技も熟練ならではなのだろう。江戸の人も裏を楽しんだのだろうか。
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6月14日まで

アルバムあります
https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000121441113&owner_id=2083345

いつもなら、この後常設展示を見るのだが、最近すぐ疲れてしまい、そのまま帰宅。チュルリョーニスも北斎も充実の展示でした。

カオマンガイのランチと恒例のソフトクリーム
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