ずれながら似合うかたちを探してる誰のものでもない肩のまま #短歌
乞われてもひらかないまま持っていく はるさめのよるのやわらかい距離 #短歌
余白へとすべりこむよう椅子を引くわたしも少し書き換えられて #短歌
ほどけないって決めた靴紐みたいにこの夜がずっと続けばいいね #短歌
言の葉は火の先にだけあらわれて灰になるまで名を持たぬまま #短歌
返した手少し前冷えていることを言葉にせずに夜へ置いてく #短歌
ぷかりってうかぶ感じが好きだけどなんかさみしいよるにもどるの #短歌
たたまれたいのちの端に触れぬまま受話器の向こうやわらぐ雨音 #短歌
座るほど輪郭だけが深くなり椅子のかたちに沈む夕暮れ #短歌
きついままでもいいもんね このくつで夜をつれてかえれるならさ #短歌
ころんって音を拾ってしまうほどひとりの部屋は軽くて薄い #短歌
結び目のままの音楽連れてゆく まだほどかない夜のほうまで #短歌
ちいさくて消えそうな声あつめたらおやすみ前の星になるかも #短歌う
ほどいた夜まだ少しだけ重くて雨の匂いに混ざっていった #短歌
やさしさはたぶんこぼしたあとになる 四角い水がそれを教える #短歌
それほんと月のふりしているだけか ぼくの鼓動をまねしてないか #短歌
ほんとうは触れてはいけない気がしてる かゆいところはございませんか #短歌
靴底に小さな夜を貼りつけて歩き出せない理由を撫でる #短歌
愛でないほうへ言葉を傾けてまだ名づけないままの夜にいる #短歌
戻らないままの影を連れていく 鍵のない箱だけ残して #短歌
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