断らないことで守れるものよりも崩れていく輪郭を見てる #短歌
触れたあと少し遅れて来る影をまだ光だと言い張っている #短歌
どれにするって聞かれないのもいいよね まだぼくにもなっていないし #短歌
言っちゃえばいいのにって思うたび言わないほうが守れる気がする #短歌
指先にまだほどけないぬくもりを消えないままの線として置く #短歌
飲み干さずここに残した理由などわからないまま朝を見ていた #短歌
ちゃんといたよねって思いながら閉めるドア 外のぼくはもう呼ばない #短歌
洗濯ばさみの指が離さぬあいだだけ空とつながる軽い約束 #短歌
ラベルって貼った瞬間終わるものだから冗談のままでいさせて #短歌
まばたきのあいだにほどける薄明が芽のまわりだけ淡く満たして #短歌
冷蔵庫の灯りが静かに閉じていき甘さの余白だけが残った #短歌
揺れるほど壊れないって知っていて春はまだでもゼリーは揺れる #短歌
まあいいかって言えたら楽なんだけどね 雲みたいにはなれなくてさ #短歌
このままでいいって思ってるときほどなにかが少しずつ変わってく #短歌
うまく言えないときほど鳴らしちゃうねなんかそれでも通じる気がして #短歌
なにも言わないでいるときのほうがほんとのことに近い気がする #短歌
なんでだろうねって言いながら笑ってる それだけでちょっと生きてる #短歌
おかえりって言わなくてもいいんだよ泡みたいにさ帰ってこれたし #短歌
書かれないままの部分があることで物語だけ遠くへ進む #短歌
飲み干した季節の底をのぞき込み残らなかった光をなぞる #短歌
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