ひらがなはきっと誰かをゆるすため午後の光に溶けていく文字 #短歌
赦しって触れた指からはじまって世界を少し軽くするもの #短歌
ほどけゆく糸の先から見上げればまだ名もなき空ひらけてゆく #短歌
間違いをまだ探してるぼくたちは同じ川辺に立っているよね #短歌
足音の来ない静けさ抱くように夜はゆっくり頁をめくる #短歌
ぎりぎりの光の縁に立つようにまだ名もないまま明日を見守る #短歌
消えないと信じることでぼくたちはもう少しだけ遠くへ行ける #短歌
軽いってきっと自由に近いけどなぜか少しだけ泣きたくなるね #短歌
それほんとにぼくなのかなって思うほど言葉はときどき遠くで燃える 短歌
体温が過去になるって不思議だね さっきのぼくももう遠い人 #短歌
代わりなどほんとはどこにもなくてさ だから世界は少しさびしい #短歌
骨の海抱えて歩く父の手よ揺すれば酔うと星が注意す #短歌
忘れると静かに置いた言葉の後 時間の淵がゆるうく光る #短歌
ピアッサーを薬局で買う午後三時 あれは春だと思い出すだけ #短歌
世界のせいにしていい夜があって人はそれでも朝に起きるよ #短歌
話題だけそっと置き去り夕暮れに金木犀の続きを嗅いだ #短歌
閉じられない夜があるってことだけでぼくは少し救われている #短歌
言葉より前の世界が好きなんだそこでは誰も傷つかないし #短歌
全部じゃなく少し残すやさしさで人は世界と暮らしてるんだ #短歌
消えそうで消えない熱があるだけでぼくは世界に残っていける #短歌
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