見なければ平気なはずの通知音 消した指先まだ君を知る #短歌
雨の日のフライパンだけ熱々で割られる前の卵が待ってる #短歌
動かずに待ってるだけのぬくもりが折れないままの骨を照らすよ #短歌
左右では足りないことを知っていてそれでも空を数えてしまう #短歌
言い返す言葉を探し黙ったら夕焼けだけがちゃんと主張する #短歌
選択がパン屋で決まる人生もたぶん静かに正解とする #短歌
苦いのはたぶん時間のすみっこで好きと言えずに箸が覚える #短歌
手を振るのやめてもいいよ 光球は今の貴女の影だからです #短歌
守るため守られすぎて残るもの 触れない熱が中心になる #短歌
出口だけない気がしても立ち尽くす どうでもよくてまだそこにいる #短歌
断りの言葉を口に含む夜 舌が覚える罪の体温 #短歌
めんどうを抱いたままでも歩ける日 好きの手前で風はほどける #短歌
座らないひとが多くて助かるな 椅子は黙って待つのが得意 #短歌
静けさに唇だけが嘘をつき 欲しいと知った夜が脱げない #短歌
探したどう名づけることで残る夜 終わらせないで灯りを置こう #短歌
重なったハンガーの影で立ち止まりきょうになれない服を見ている #短歌
冬の川死んだふりするやさしさを羽根より軽く信じてしまう #短歌
湯気越しに触れた指先誰のもの 生きてる証が熱でわかれば #短歌
拾う理由探すあいだに風が来てもう拾うほうへ影が動いた #短歌
ゆがみってだいたい光る ずれてる自分まあそれも俺 #短歌
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