灯りだけ先に点いてる椅子の列 来ない未来を責めずにいる夜 #短歌
運命って言う前にもう火が入る もやしはだいたい正直だよね #短歌
病気と金の話で日が暮れて触れずに残る空の明るさ #短歌
終バスが走馬灯みたいだったから今日はちゃんと帰れる気がする #短歌
コース外ってわかった瞬間ちょっと楽 地図が使えない日も悪くない #短歌
甘いもの明日に回すそれだけで今日はちゃんと生き延びた気分 #短歌
笑い声 少し遅れて残る熱 ふざけたふりの芯が折れない #短歌
朝までの世界がぼくを試すからアホですわって先に言っとく #短歌
首もとに残るためらい撫でながら数えなかったことにして寝る #短歌
流れには乗らない石もあるらしく 立ち止まるたび夜が増えてく #短歌
その犬は理由を知らず待っていて正しいことが少し寒そう #短歌
静かすぎ炎は音を忘れててここにいることだけを続ける #短歌
起きている肉の静けさ雪に似て意味を持たずに順番を待つ #短歌
片付ける手つきに混ざるためらいが最後の粒を皿に戻す夜 #短歌
嘘の方が長く生きると知っている 家は静かに殻を閉じきる #短歌
覚えたの距離だけだった花だから近づくほどに静かになれる #短歌
上映後のパンフの重さ持て余し見なかった場面を夜に返して #短歌
平気だと言われる前の揺れを抱き乾く途中を生き物とする #短歌
休憩の椅子に残った体温を誰の明日が持ち帰るのか #短歌
売れる要素ないもんねと言って安心し誰にも変わらずここに残れる #短歌
★
ログインしてコメントを確認・投稿する