拾えない紙片ばかりが増えていき謝りきれない軽さで回る #短歌
主語でかいだけで会話が進まないわたしの影が先を歩くよ #短歌
デフォルトが増えていく町 夕立に逃げぬままで傘を差し出す #短歌
欠けたまま走り続ける名を名乗る 数は減っても止まらない声 #短歌
まだここにいますと床に影を置き通知も来ない夜が続いて #短歌
湯気のあと画面をひらく指の先 未送信のまま息がそろった #短歌
近づくと画面の文字がにじむから少し離れて同じ夜を見る#短歌
行き先を忘れたままで夜を行く終点のない星が揺れてる #短歌
湯気の向き気にしてしまう僕たちは黙る練習少しうまいね #短歌
雨おとの炭を踏まぬよう夜を行く 傘の記憶がまだ道を引く #短歌
昔わたしもやりましたって通知欄 既読にされず夜が続いた #短歌
あらすじを飛ばしてしまう癖があり先に甘さが保存されてる #短歌
行列に怒りを預け夜を持つ 叩かぬ手だけ重く冷えたり #短歌
花びらの数を数える癖のまま名前にならぬ声を見送る #短歌
食えてはいけるかも、までをメモにして保存しないで閉じた月曜 #短歌
かるさだけ先に歩いて残される理由は椅子にまだ座ってる #短歌
きめないをこたえにしてるはんぶんこ べんりなねがいそっとおしてる #短歌
薄目で見てた世界はいつも少しだけ信じる前の明るさでいて #短歌
匙を持つ手がためらえは夜が伸び溶けた境目に欲だけが立つ #短歌
肩書きは似合わないまま湯気の上が甘さでほどける会話 #短歌
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