mixiユーザー(id:6486105)

2026年01月18日20:43

62 view

省察力が痛い

 1月18日快晴。
 正月明けから早くも2週間が過ぎてしまった。時間が経つのは早い。
 日々、能力がないことがチクチクと心の襞を刺す。例えば今年に入って2度、たまたまNHKの番組で小泉八雲の特集を見た。といっても、普段新聞のラテ欄は見ないこともあって、最初から最後まで完全視聴したというわけでもない。テレビのリモコンを押したらやっていたとか、ニュースのあともテレビをつけていたら小泉八雲特集が始まったとかである。
 コロナのパンデミックが始まったか始まらないかの直前の1月末、夜行寝台特急サンライズ出雲に乗ることだけが当初の目的で松江に行った。1泊目と2泊目はホテルも予約していたので、雪が舞うなか死の行軍のようにひたすら歩き回った。当然、小泉八雲記念館を訪ねたし、近くの行列ができる八雲庵で上等な蕎麦もいただいた。10数年前には焼津の小泉八雲記念舘にも行った。が、私は浅薄な教養ゆえ、小泉八雲イコール日本の怪談をまとめた元英語教師程度の知識しかなくて、敬意などほぼなかった。
 が、NHKの八雲特集やたまに見ている朝ドラ「ばけばけ」を知るに及んで、自分の八雲像が偏見でしかなかったことを思い知らされた。正義感もあれば、絵に描いたような誠実さもある。それ以上に、アメリカ時代の熱血漢といえるような新聞記者生活や、日本の生活や文化を結果的にまとめた『日本の面影』が私たち一般日本人より日本を深く考察していて、私はうなだれてしまったのだった。日本庭園には必ずある石をして西洋の庭と違う自然観を見出したり、神道がいかに日本人の意識に根付いているかという観察をしたりと、視点が多彩でかつ的確なのである。
 ネットには愚か者が跋扈して底意地の悪い意見を吐き出していて腹立たしい限りだが、そこを追究していくと、この俺も同じで人や政治や事件の一面だけを取りだしては馬鹿にしているという点に於いてほぼ同じだったのである。
 老人になっていくにつれて、だんだんと日記が「一日の反省」になってきた(苦笑)。しかし、尊敬するルソーだって似たようなもんだ。
 高校の「倫社」の授業でジャン・ジャック・ルソーを知って、図書館で『孤独な散歩者の夢想』を一気読みして、彼の自己省察に感動を覚えたのだが、『孤独な散歩者の夢想』を書いたのは晩年だもんな。ルソーは歳を追うごとに自己省察の鬼となっていく。
 
 毎日、非常に効率の悪い過ごし方をしている。
 たとえば今日なんかその典型だ。
 午後2時頃、散歩に出た。45分後に帰宅。
 で、詩人の手紙を翻刻していたら、午後4時頃、図書館から予約本が入ったとの知らせ。明日月曜は休館日なので、さっきの散歩道とほぼ同じコースをふたたび歩いて行き、予約本を引き取った。時間の無駄遣いだし、間の悪さもある。
 一方で、何事にも効率優先で、人間固有の情緒とか個性を軽視する時代のキャラクターに対して、Nonと抵抗したい気持ちもある。
 自分は昔から、無駄な時間と体験でつくられたピラミッドみたいな男で、それでも平和主義と人権尊重の日本国憲法のおかげで平穏に生きてこられた。ほぼ不自由なく晩年を迎えることができた(いや、今年死ぬわけにはいかないけど)。
 トランプによって、そのエピゴーネンたちによって、世界も日本も私でもらくらくと生きて来られた平和が風前の灯になっている。
 この1年あまり、トランプ関連のニュースが流れるたびに「鶏口牛後」という故事(ことわざ?)を思い出す。一昨日だったか、昨年のノーベル平和賞受賞者がトランプにメダルを渡したというニュースを見たとき、ぞっとした。トランプの側近、広報、議員などを見ても、あまりの愚劣なる追随ぶりで人間不信社会不信に陥りつつある。いまの時代、気が狂わないひとのほうがおかしい、とさえ思う。
8 5

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2026年01月>
日 月 火 水 木 金 土
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031