さみしさをまとめて開くそのページ誰かのために折られた角で #短歌
外せない理由を胸に畳んでるあなたの1日わたしの布も #短歌
ほどけゆく毛糸の音に耳澄ませ冬の途中でまた立ち止まる #短歌
ふたを開け白い息だけこぼれ出てまだ触れられる魔法の余熱 #短歌
入口の自動ドアにも映らない叱られ犬の小さな誇り #短歌
建築の画面の余白 風が吹く ここは昔だ花だけが言う #短歌
カーテンが少しだけ揺れ留守番を引き受けたまま午後になる部屋 #短歌
黒板の字を待つあいだ息そろえ「ふうん」が少し波打っていく #短歌
手を合わせ息だけ白くほどけゆき 生きてる側の影が揺れてる #短歌
墓ふたつ経過したあとの日曜日 賭けてもいいか生きてるほうに #短歌
滑走路胸にしまった重さごと持ち上げられて空が始まる #短歌
こわれゆく土曜の羽音今どこかチーバくん地図の赤き頬にも #短歌
靴底に前の暮らしが残ってて角を曲がるとまだ昨日です #短歌
文字たちが遠くへ歩く速度までブルックナーが決めてしまった #短歌
似合うって言葉が少し照れている 花もお酒も帰る場所なく #短歌
カレンダー赤い丸だけ肉の日できつねは静かに主役になる #短歌
確率の端に座って息をする まだ名のない子の重さを抱いて #短歌
スープの湯気に少し迷ってるWi-Fiのある昼のまぶしさ #短歌
ストローでお吸い物を吸う午後の軽口ひとつこぼれては沈む #短歌
さよならを言われたあとも雨は降り円い葉の上歩き続ける #短歌
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