撃つ前にその目をかして夜を見よう 弾はこころに残しておこう #短歌
言えぬこと胸で圧縮されるたび無言の筋トレ今日も更新 #短歌
声になる直前にあるざらつきを冬の浜辺は知っていて待つ #短歌
山よりも気持ちいいって言う前のまばたき二回それだけでまだ #短歌
孤島めく席が呼吸をしているね 来なかった人の名前で満ちて #短歌
口開くたびにビル風入りきて同じ高さで空を分けあう #短歌
もういいと言われたあとの坂道で柿は重力だけを語った #短歌
終電の窓に映った知らぬ顔 君の星だけ遠心力で #短歌
正しいと光が言ってる夜の端 間違いだけが歩いて帰る #短歌
地獄にもリズムは残る骨の箱 叩く手だけが生き延びている #短歌
真理には蛍光ペンが似合わない はみ出すとこで人は生きてる #短歌
うわさとはたいていすこしまがるけどきてみたらただぼくらの午後だ #短歌
曇る日は役目を終えた顔をして また冷凍庫明日を待ってる #短歌
百済とはくだらぬことと似ているわ もういいじゃない冬も眠くて #短歌
死期なんて割引欄に載らなくてコーヒー冷める午後が続くよ #短歌
花瓶には水を足そうか その夢に追いつけなかった速度のままで #短歌
公転を見ていたきみは眠らずに重力だけを信じていたね #短歌
防犯の名を借りて鳴るその群れは痛みの場所を正確に知る #短歌
役なんてつけなくていい手のかたち 上がらずにいる今も配牌 #短歌
赤くするその命令がやさしくて血のない夢に血を貸している #短歌
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