初心者のための油彩画入門 ブレンディングの問題点
ブレンディングを否定する訳ではない。欧米系の油彩画の先生の中には、生徒にブレンドをしないように指導している場合もある。これは、ブレンディングには、問題があるからで、そこを意識しないで使うと成長を止めてしまう可能性がある。油彩画は、キャンバスに描く場合、薄塗りだけだと、抵抗感のない弱い絵になってしまう。油絵の具自体が半透明で、ビニールのような特徴があるため、薄塗りだと保たないのだ。そこで、何層にも色を重ねて深みを出すようにする。具象絵画では、この色層の重なりが非常に大事で、物質感を表現するキモになる。ブレンディングは、キャンバス上で色を混ぜるのだが、その時に、絵の具をかき混ぜるため、色層ができ難い。お気付きだろうが、初期の段階で、ブレンディングを使って、絵を描いてしまうと、のっぺりした抵抗感のない絵肌になって、物足りなさが残る。つまり、色層をしっかり重ねてから、ブレンディングを使って、グラデーションを調節する、という使い方が、正しい、ということになる。また、絵の具層が、多層化してきていると、ブレンディングは、使わなくても良くなる場合が多い。結果、ブレンディングは、使わない方向になる、ということのようだ。使ってはいけない、というよりも、使わなくても良い、という方が正しいか。これを理解するには、経験が必要で、技法をどのタイミングで使うかを最初から分かる初心者は、いないので、失敗する場合が多くなる。ちょっとした順番の違いだけで、結果が変わってしまうのだ。グレーズもそうで、初心者の中には、グレーズを絵の具を揮発油で、薄めてキャンバスに薄く塗る、と思っている人がいる。これは、間違いで、やってはいけない。乾性油で、溶くのも、あまりよろしくない。グレーズは、チューブから出した絵の具をそのままキャンバスに薄く塗り伸ばしていく場合が多いのだ。濃くなった場合は、ボロ布で拭き取って調節する。また、白を薄くぬって明度を確保するのも忘れてはいけない。グレーズを多用する人は、グレーズする前にキャンバスに、乾性油を薄く塗り伸ばして、筆の走りを良くするようにしている。もちろん、しっかり乾燥させてから乾性油を薄く塗り、グレーズを行う。揮発油で、油彩画を描く、というのは、水彩画の影響だと思うが、水彩画と油彩画は、まったく別物なので。水彩画のイメージで、油彩画を描いてはいけない。水彩画のように描きたいなら、アクリル絵の具を使うべきだと思う。ここ勘違いしないようにしよう。
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