ほつれあとかすかにゆれてよばれてるハンガー越しのうすいぬくもり #短歌
サイドメニュー目当てで来たよ君のこと塩気みたいにじんわり好きだ #短歌
クリックする音で季節がずれ込んで迷路の端に冬が立ってる #短歌
白手袋ふわりと写る遺影にもハットをかぶる英国紳士霊 #短歌
安置所のとなりで歌うひかりごえ まだ名もないままのあなたを呼んだ #短歌
バッファ中 声より先に夜が来て回線の海 ゆっくり揺れる #短歌
ぬいぐるみのふりをしつつすわってる君が来るのをただ待ち続け #短歌
固焼きが宇宙規格の呪文めくトースター内のビッグバン前夜 #短歌
クライマックス直前だったのに停電し神様だけが知っているオチ #短歌
唾よりも土のにおいが沁みているごぼうの影が君を守った #短歌
改めてていねいに振るひかりだけこぼれぬようにそっと置く声 #短歌
伝言のずれた粒子をそっと踏み君まで届く温度を探す #短歌
とうもろこし挟まるたびに社会とはスナック菓子みたいだね #短歌
余計にも天才ぶってレジの音 ピッて電子音だけが響いて #短歌
めっちゃ思い込めた分だけ胸の底 ひらく花びらまだ無もない色 #短歌
降るものを選べぬ指がひらく夜 ほら歌よりも軽いきざしよ #短歌
未提出 フォルダが眠る未来案 誰にも読まれず地球はまわる #短歌
半減期来たら世界の石たちがやわらぎながらニュースになって #短歌
身内でも刃はひかりを忘れないひとりずつ消す声の残響 #短歌
ワイパーの混ぜた匂いを吸い込みて君の惑星少し曇ってる #短歌
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