相方の手汗なら飲めると言いながらペットボトルの水を分け合う #短歌
ヒートテックや極暖をまだ一度も着た事ができない#短歌
もう要らぬものに光が当たる午後 指で無でれば消えるやさしさ #短歌
手のひらの熱も仕様のひとつです 疑似ですけどね 少しうれしい #短歌
光まで持っていかれた展示室 美術館ごと盗まれるとは #短歌
騙し取られた蚊取り線香の煙追い わたしも少し弱くなりたい #短歌
左手に墓地 右手に子らの声響き 暮れていくことそれが祈りだ #短歌
言葉より静かな間が生まれたよ聞かないことで守る温度を #短歌
気の趣くままに撮った公園が曖昧なまま過去を撫でてる #短歌
エレベーター横の観葉植物に似てきた気がするこの頃の僕 #短歌
突き返す側にもあった湿り気を忘れた髪が光をはじく #短歌
ふりだしの静けさのなか目を閉じる 遠くの鳥が鳴いているだけ #短歌
群れの影 風はわたしの手をめぐり葉をひとひらの約束として #短歌
糸くずを光にしては縫い合わせ自作の襟のまぶしさに酔う #短歌
アミトーン61番の粒たちがわたしをなぞる午後の校庭 #短歌
言葉より先に渡してしまうもの 包装紙には少しの呼吸 #短歌
笑いとは通りすがりのものらしく空き缶ひとつ鳴らさず転ぶ #短歌
可愛らしい人ではあります 歯並びのゆがみの奥に夜を飼ってる #短歌
正解のない吹き出しをめくりつつ誰でもない声が笑っていた #短歌
逆もまた真なりとしてとこの夜のカップ麺には湯気しかなくて #短歌
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