傘たたむ音で終わりにしてしまう そういうことにしといてやるか #短歌
プール参観 百本の足ぺたぺたと母らの傘が空の青消す #短歌
正解のない円環に立ちすくむバカのつくった神話のように #短歌
昨日死んだかもしれぬ部屋にひとりメロンのにおいが静かに満ちる #短歌
壮大な嘘にまぎれて立ちすくむ小石のようなほんとうひとつ #短歌
絶景を肉眼で見る約束を透きとおる目に波がうつるよ #短歌
ポシェットのまねをしている肩先に夏のまぼろしぶらさがってる #短歌
もう気が済んだので帰ります 水のようだねって言われたからね #短歌
真っ白に死んだ金魚の心臓はまだ水面を揺らしていそう #短歌
食おうぜ雑な飯でいい夜があり焦げた米粒さえも祝祭 #短歌
その家のむこうの土手に枕木がねむるみたいに風をとめてる #短歌
レデイースアートネイチャーで頭を守る冗談交じりの午後の会議を #短歌
土葬にすると言われて土の匂い 指に残して風が通った #短歌
おちなきでおちてしまっても きみのなか海より深い冬があるから #短歌
知らぬ人と飲むより静かに茶をのむと言った口元やさしいひかり #短歌
まだこの夜 灯りの下で地図を描く 次の場所にもあなたがいれば #短歌
朝いちどいれかえる水のゆらぎにもなじむかたちを探してしまう #短歌
可愛いで括られた名の下にいて骨の音さえ飴玉のよう #短歌
刃のあとひかる口許 雨の音 やわらかい負け集めて眠る #短歌
若い子の曲を聴けるか聴けぬかで老いの定義が書き換わってくれ #短歌
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