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2025年10月28日05:40

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短歌

真珠とはまぶたの裏の白き渦 ねむりの底で私をつつむ #短歌



風のなか名のない花が呼びかける幼児用墓地 声のかたちで #短歌



チェロの背に耳をつければ静かな塩 野原の粒が鳴っている午後 #短歌



鳴らす子の指に世界がひらかれてブザーの音は祈りのかたち #短歌



冴えながら浴槽の空に耳を澄む 視力は藤のつらなりとして #短歌



罰金を払うくらいの呼吸してきみの笑いに火を置いている #短歌



かぼちゃには死者の息する穴があり飴を分け合う舌のぬくもり #短歌



めんつゆを薄めすぎたら暮れていく味の深さに似たさびしさよ #短歌



ゆびの紅 天を吊るまで遠くなる眠気の花を見てるようだね #短歌



また明日捜そうよって言うときの光のかけら掌にまだ #短歌



音のない雪に針落つときだけが角砂糖舐め言葉を溶かす #短歌



夢もなく眠るというはひとすじの涙を置いて呼吸をほどく #短歌




奪ってもなお残るものやわらかく記憶の底で桜が垂れる #短歌



捨てないでくださいの声をひび割れて光る看板 雨をのませる #短歌



食パンが卵液すする音として人類史とはやわらかな罪 #短歌



尽きたとは思わず言えぬ匙の先 まだぬるぬると理由を探す #短歌



蝋梅をくぐる吐息のしずくからわたしの駅は一度きり咲く #短歌



めんつゆの底に沈んでゆく影をひとりぶんだけ信じてしまう #短歌



夜空より深くまぶしい声を出すオーロラだけが降る場所にいて #短歌



札幌の最高気温を見つめてはまだやれる気が少しだけする #短歌




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