ツッコミの刃が光ってやわらかにふたりの距離を測ってしまう #短歌
シャワー音やさしく割って呼ぶ名前 温度のように近づいてくる #短歌
駅ビルの鏡に映る恋たちがロマンチシズム競いだしてる #短歌
薄くなる互いの生活 模型には柔らかすぎる午後の光が #短歌
見慣れたらどうってことないっていうかね花瓶の花もこっちを見ない #短歌
しゃりしゃりの馬刺しを噛んでいるあいだだけは未来の事を言える気がして #短歌
遠慮なく燃やせるものを選びつつ影にも影の温もりがある #短歌
木蓮のつぼみのように手をすぼめ袖を透ったひかりをつかむ #短歌
見失うために泳いでいたような水の裏側背を返せず #短歌
押し出されチョコの光が指にのるスーパーの夜 運命の味 #短歌
紙袋くりゃりと鳴って視線だけ合うなんか他に無かったんですか? #短歌
順番を決めた指先うすく濡れ音なく落ちる水を見ている #短歌
踏み外すことを恐れて砂の上 靴紐ひとつ深く残して #短歌
指先の力ぬければ紙となりあなたの拳をやわらかく裂く #短歌
風船ガムゆっくり膨らむ口もとに破裂の音を待つ都市の午後 #短歌
落葉とは名付けられたる沈黙の構造として公園がある #短歌
指先にまだ残ってる夜のこと 本当にそうだったのかもしれない #短歌
古い名前に石をぶつけてひとりきり音のかけらが胸に残った #短歌
「ふ」を四画にする人と知る指がペンの油膜をひかりに変える #短歌
順調に反抗期です カレーにはスプーンでなくて箸を使ってる #短歌
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