とりにくになるまでとりは考える かみさまだけが泣かずに見てる #短歌
ふりかけをかけた部分が残ってる冷めたごはんに熱のかたちが #短歌
自らの重みに耐えて咲く花はきれいだねって話ずれてく #短歌
信号の赤がゆっくり沈むころ朝と夜との境うつろう #短歌
謝ってほしいを脱いで朝が来る 母の笑顔の所在わからず #短歌
雨だから帰るね 君の言葉だけ傘に触れでは落ちていきます #短歌
臍の緒を探すでもなく雨を見て帰れぬ家の灯りを思う #短歌
つめたい手ハンドルに添え風になる 急ぐと言って誰を持たせる #短歌
両翼をもがれた夜の鳥のこと 公園にだけ朝は来ぬまま #短歌
また寒い怒ってみてもなお白く 息のかたちが夜にほどける #短歌
お別れね桜の下でくちびるをはなふぶきとも思いあぐねて #短歌
塞がれた風の通りにたまる息 誰かの血にも似たぬくもりが #短歌
願いごと落としたままで電車ゆく あとひと駅の灯を見つめては #短歌
半袖とダッフルコートに挟まれて呼吸の仕方を少し忘れる #短歌
ヒールとは赤い記憶がこびりつく 飴と蟻とが終わるかたちで #短歌
コタツカラオケルールの見える足だけが赤くて議論のあとに沈むゆでだこ #短歌
蛍光の街にまぎれて息してる過剰の果てのただの人間 #短歌
塩対応な真理を抱きしめてパパ活終わる夜の哲学 #短歌
感情を抜いた声だけ流れてく夜の冷蔵庫ひらくみたいに #短歌
標識を見上げたままの恋だった 歩道の雨に文字が流れる #短歌
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