夏すぎて急に冬くるショーケース 栗のケーキがずっと置いてない #短歌
待ちすぎて声のかけらを探すけど言葉は影に沈んでいった #短歌
靴のまま追いつけなくてアドアーズ景品の熊が眠たげにいる #短歌
トンネルで春日のことが遠ざかるラジオの声も眠そうに揺れ #短歌
広い浜くらぐらとして足跡の三人ならぶ波にほどける #短歌
おにぎりを作れたことに笑い出す海辺の午後の影ふえてゆく #短歌
流れゆく手花火の火の細さまであなたとわたしくらがりを編む #短歌
塩むすびですらなかった ことばまで昼の匂いに混じって沈む #短歌
海のものひとつひとつを拾い出す帰路の足音 砂まき散らす #短歌
たまにしか言えない言葉あふれ出て聞き返す君に許しを乞えば #短歌
あばれだす前髪すらも告げているやがての嵐を笑いに変えて #短歌
ほめている声が残ってなお沈む小さな机で爪を見ている #短歌
花びらのついた車輪でわかってる 通った道のきのうのにおい #短歌
集合の時間過ぎてもまだ走る 鞄が揺れて夢も揺れてる #短歌
声上げて負けてしまえば春のなかまだ見ぬ砂に遠い波音 #短歌
あなたから半分もらってわたしから半分返す夕暮れの街 #短歌
走り書き読めずにひとり笑いおり誰にも言えぬことを書きつけ #短歌
ハッシュタグつけては消してまた遊ぶ夜の手持ちの星座みたいに #短歌
ベッドからこぼれる音のあいまいにグラス傾き昼を続ける #短歌
かばんより大きな影を持っていて熱帯魚だけ息をしている #短歌
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