ああよかったWi-Fi生きてる おどけ合う君の笑顔で夜もやさしい #短歌
セルフレジだけが並んで応えるよ 雑誌の顔は無言のままで #短歌
干し大根並んで干され寒いねと夕方だけが肩を寄せ合う #短歌
陰謀論片付けられて本屋には静かな空気残るだけだよ #短歌
寒そうに絆創膏貼るそのしぐさ ひとりでなんか頑張るなよな #短歌
夕暮れにコロッケもわたしもぐったりでまあこんな日も悪くないかな #短歌
解凍されやわらかな餅に似てしまう ひとつのからだ 赤いストーブ #短歌
水溜りぐらぐら揺れて卵ゆでそれでも君の分も残して #短歌
ひかりさす氷の底のくぼみにてまだ見ぬ湖こぼれおちそう #短歌
かなしみもテフロンみたいに罅を持ちそこから生まれでてくるひよこ #短歌
夕暮れにひらひら残る落ち葉あり手をのばしてもすぐ風に乗る #短歌
固茹での卵で釘は打てなくて黄身のなかにはひよこの産毛 #短歌
10月をたしかめるため書きとめる見届けるにはまだ知らぬこと #短歌
眠たさを油の底に置きながら食べるたびまたくり返す夜 #短歌
冬ごとに再生されるアルバムを灯りのように君は抱えて #短歌
落ち葉踏む音を聞きたいだけの午後 その日をきみに言うこともなく #短歌
待ち合わせはロマンスカーでと言われてコロッケパンを片手に走る #短歌
へたを取りミニトマト食べひとしずく皿の景色が静かに変わる #短歌
精巧なにせ者のまま咲きたくてさくらに似たまま散る花が好き #短歌
汝が指を歯にふれしとき 秋風のすすきは遠く白きをふるふ #短歌
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